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☆ 結婚の挨拶に来た日

 

 私の実家に恋人だった旦那さんが挨拶に来た日、皆緊張していた。
 お昼に駅まで私が迎えに行くと、着慣れないスーツ姿が暑そうでやはり緊張していると言う。

 姉と旦那さんは古い友人のため、姉も来てくれるそうだ。
 家のドアを開けると、2階の居間からポロンポロンと姉の弾くウクレレが聞こえてくる。最近習ったのだと、つじあやのさんの「風になる」を歌っていた。彼女はTシャツに短パンみたいな出で立ちで、私は一気にリラックスした。弦の音色は緊張をゆるませると思う。
 

 座卓には、近所のお魚屋さんのお寿司が並べられてお祝いムードだった。
 両親はほぼ初対面の男性に興味津々で、次から次へと会話が止まらない。父の語りやたくさんの質問。

 私と彼は、『 とにかく今日は結婚しますと伝えよう 』と決めていたのだけれど、まさかの両親の会話がノンストップで、大事な事を言い出す隙がまるで無いではないか。
 13時に来て、気付けば16時になっている。姉も緊張していたのかお酒がまわったのか、座卓の横ですやすやと眠っている。
 しまった、このままでは言えずに夜になってしまうと危機感を感じ、私が口火を切って、なんとか二人で伝えることができた。


 父が、「 まあ やってみなさい 」と言い、母は、「 それは おめでとうございます 」と言った気がする。面白い日だった ☆☆☆




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