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☆ いつもと違う場所で会う





 ー何年か前、親戚が一軒家を手放し、賃貸のお部屋へ引っ越した。


 お家の面積は小さくなったけれど、ベランダからはさんさんとお日様が降り注ぐ。
 引っ越しにあたり、家具や荷物も厳選されたのだろう、ひとつひとつの物がかわいらしく、まぶしい。


 もとの一軒家は、毎年、親戚全員で集まる場所だった。
 大人は1階でお酒を飲み、箱根駅伝を観て、お仕事やなんかの話をしていた。私たち子どもは、2階でトランプをしたり走り回っていた。
 台所のテーブルで話す輪もあり、お餅が次々に焼かれ、お料理やお菓子が運ばれた。


 私はお家の引っ越しを手伝っていないので、どんな苦労があったかわからない。ただ、前の家と、今の家に行ったことがあるだけだ。


 
 引っ越した距離が遠くないからかもしれない。

 驚くのは、ほとんど何も変わらないこと。住んでいるのは同じ人で、メンバーも変わらない。
 大きな入れ物がないことで、むしろ個性がより感じられるようにも思えた。色んなことがクリアーになる、とも思った。


 大きな家のなかで、ほとんど挨拶もできずに、うやむやになっていたこともあった。小さい分、逃げ場もないのは良いことかもしれないと。

 小さい時にあまり話せなかったいとこにも、自分から挨拶できた、握手もしてもらえた、一緒に写真もとってもらえて、うれしかった。
 私は親戚の中でも年が下の方なので、年上のいとこ達はとてもまぶしく、昔からスター的存在に感じていた。
 年を経て、みな変化しながらも、小さな頃の面影が瞳の奥に見え隠れしてくすぐったい。


 役割や関係性が固定しがちなグループが、引っ越したり、旅行したりして、新鮮さのなかでお互いを見ることは、とてもいいなと思ったのでした ☆☆☆





 
 

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