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○春のにおい 〜 染色体検査のこと


 子の病院の面会に慣れた頃、先生から発達の遅れがあるので染色体検査を勧められて同意書にサインして子の血液検査をすることになった。


 退院して2週間後の結果の出る日、診察前に寄ったドトールで隣の席のおばさまが私と夫に声をかけて下さった。
 『 何ヶ月ですか、可愛いですね、先程からとても癒やされています!』 結果待ちでドキドキしていたけど、この子の存在を愛しく思ってくれているのが伝わってうれしくなり励まされた。


 結果を待ちながらモヤモヤし、家では自分なりに本を読んでダウン症について勉強をした。両親や親戚にもこころの準備をしておいて欲しくて相談した。


 診察室でいつもの先生から検査の結果が21トリソミーのダウン症と伝えられた。

 分かってよかった、一番最初に安堵がきた。21だったよ、と夫に抱かれた子にも伝えた。

 『 次回他の外来でさらに詳しく診てくれます、有名な外来で遠くから来ている人もいます』と先生。

 帰りに夫の実家へ報告に行き、皆で赤ちゃんを抱っこしてお茶を飲んだ。

 不安はあるのだけど、知らない新しい世界への扉が開いたんだな。わたしダウン症について何にも知らなかったよ。

 願わくばそこが楽しいところで、素敵な出逢いがたくさんあるように、この経験が素敵なことへつながりますように。
 衝撃があったけど、子の愛しさは変わらなかった。その後の彼は日々ご機嫌で、まるで21tだと周知されたことがうれしいかのように見えた。 


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