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☆ 数百メートルの引っ越し


 
 本当は、窓から山が望めるような、少し遠くへ引っ越したいと思っていた。
 緑の多い町を夫婦で見に行き、足を踏み入れ、呼吸し、町の人の雰囲気を見るとたくさんの事が感じられる、その町の当たり前の日常。

 なんとなく違うようだ、そこで暮らす自分たちがイメージできない。

 帰りの喫茶店でプチ会議をする、「 ここまで来てみて、恥ずかしながら今住んでいる場所の良さがわかった。できればリフレッシュも兼ねて近所に引っ越したい 」。そんなワガママとも言える妻の意見に合わせてくれた旦那さん。


 ほんの数百メートル離れた場所への引っ越し。踏み入れた新しいお部屋の、雰囲気が違う、窓からの景色が違う、聞こえてくる音が違う。
 生活圏は同じまま、洋服を着替えるように家をかえてしまうという贅沢、気分転換。
 はじめてのことだったけれど、これはありだと思った。こんなことが許されるのだと、もう言い訳しなくて大丈夫だと。 


 できない条件が色々浮かぶときも、できる範囲でじぶんのこころからの願いを叶えてあげよう。しあわせに、してあげよう ☆☆☆
 
 




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