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「中指・薬指・小指」をドイツ語で考える

これまで、親指と人差し指を見てきましたが、今回は残りの指のジェスチャーや表現をまとめてご紹介したいと思います。


人差し指+中指 Zeigefinger und Mittelfinger

人差し指と中指を立てて、手の平を相手に見せるようにするのは「Vサイン(Victory-Zeichen)」として知られていますが、これの向きを変えて、手の甲を相手に見せるようにすると、イギリスでは侮辱のジェスチャーになります。その起源は100年戦争にあります。イギリスの長弓射手は中指で弦を張るため、中指にタコができて太くなっていました。「その中指を切ってやるぞ」とフランス人がこのジェスチャーで脅したのだそうです。当のフランスではこのジェスチャーは忘れられてしまったようですが、やられた方のイギリスでは侮辱のジェスチャーとして今に伝えられています。ドイツにはもちろんありません。

人差し指と中指をクロスさせる(Gekreuzte Finger)は、特に英語圏で幸運を祈るジェスチャーで、イギリスでは National Lottery、米国ではOregon- und Virginia Lottery のロゴとして使用されています。このジェスチャーの起源に関してはいくつかの説があります。

一説には、指をクロスさせることによって魔女や悪霊に憑りつかれたものを退散させると信じられていた、魔除けの仕草に遡ります。

これはまた、キリスト教が迫害されていた時代に、お互いにクリスチャンであることを示す合図として使われたことに始まるという説もあります。

もう1つは、キリスト教以前のヨーロッパにあった、元は二人の人間が人差し指と中指をクロスさせ、一人が願い事を言い、もう1人がそれを保証するという慣習が元になっているという説です。こちらは、十字が統一の象徴であり、よい精霊がその交差する点に住むという信仰に基づいており、その交差点に願をかけることで、その願いが叶うまでそこに保持されるということを指をクロスすることで象徴していたそうです。後に二人ではなく一人で自分のために願をかけるジェスチャーとなり、それが一般化して現在の幸運を祈る意味となった、とする説です。

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