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夕方5時、息子にキッチンを占拠される


夕方5時とは。


私にとって勝負の時間であり、

やっと、子供の「付き添い」やら「お迎え」やら「遊ぼ遊ぼ」「みてみて」攻撃やらから、解放される時間であり、

夕飯の支度という名の「お母さん時間」にやっと突入できる時間、である。

夜の自分時間をどのくらい確保できるかは、
この時間をどうスピーディに進めていくかに、かかっている。

私の頭の中はもう、「いかに子供を早く寝かせるか」でいっぱいだ。


ラストスパーーーーーートッ!

カーンとゴングが鳴る。


と、そこへ・・・


「オリジナル料理作ってもいい?」



・・・はい?


「オリジナル料理作りたくなっちゃった(テヘペロ)」


長男がキッチンに入ってきた。


ちょいちょいちょい。
まじで、言ってんですかぃ?


今までさんざ遊んでおいて、今からオリジナル料理だと?

はいーーーーーーーーーーー?!?!?!


私が渋っていると、

「つぅーーーくぅーーーりぃーーーたぁーーーいぃーーー」

と、お得意のゴネゴネスイッチONっ。


めんどくせぇぇぇぇぇーーーーー!!!!!



「おお!料理作ってくれるの?素敵ーー!!」
なんて、拍手を送りたいよ、母さんだって。


夕方5時じゃなければよっ!!

それに君はさ、お母さんの料理の「お手伝い」とかじゃないやんか?

もうさ、ガッツリ「オリジナル感」出してくるやつやんか?

それを、それを・・


この、夕方5時から始めようというのかーー!


まじ、勘弁。


普通はさ、「レタスちぎってぇ」とか、「人参切ってぇ」とか、「お肉焼いてぇ」とか、「お皿に盛ってぇ」とか、お母さんの夕飯のお手伝い的なことを、するんじゃないの?


・・・


嗚呼っ!そうだった!

「普通」が通用しないんだったーーーーーー!


しかも、


「すみっコぐらしライスを作りたい」


とか、意味不明なことを言ってきた。


・・・はい?


「だからぁ、すみっコぐらしのぉ、Sくん(弟)が持ってるぬいぐるみのぉ、ご飯作りたいぃぃ」


・・・はい?


今夜のメニュー豚肉焼くんですけど。
豚肉には、白いご飯がいいんですけど!


そんな母の思いは届かず、彼は、冷蔵庫内をチェックし始めた。


「緑は・・・レタスがあるかー♪
あとは、人参、玉ねぎ、・・かぁ。卵は?よしっあるな!」


あかん・・。
料理スイッチ入ってもた。
こうなると、何言っても無駄だ。


時刻は既に、夕方5時半。


んあぁぁぁぁぁぁ!!!!
あっかーーーーーん!イライラするーーーーー


私の行き場のない超絶イライラを、我が心の友にLINEで送りつけた。


心の友がすぐに返信をくれ、慰めてくれた(いつもありがとヨ)。


息子、料理好きとはいえ、まだ7歳。
包丁使う時とか、見守り必要だし、
母、キッチン占拠されて豚肉も焼けねぇし、
何にも出来ねぇし、
弟、今にも寝そうだし、
なかなかのフラストレーション溜まるぜ。


もうあっという間に夕方6時を回り・・・
さすがに母も諦めモード。

諦めたら、人間って、優しくなれるもんですね(名言出た)。


そこからは、イライラすることもなく、息子のアシスタント母さんに徹することができた。


息子はいつの間にか、包丁さばきが上手くなっていた。
卵を割るのもお手のもの。
フライパンで炒めるのだって、様になってるじゃないか。

アシスタント母さんは、ほとんど見てるだけ。

だんだん、息子の作ろうとしている「すみっコぐらしライス」が楽しみになってきた。


なんか、いろんな厄介な感情手放したら、いいところがたくさん見えてくるんだな。
一生懸命作っている息子の姿が、可愛いな、って思えてくる。
写メとか撮っちゃったりしてさ。

さっきまで、あんなに可愛くなかったのに・・・。
母の気持ち、あー忙し。


息子が、「できた!!!!」と、テーブルに運んできた。

「すみっコぐらしライス」を作って大満足な彼は、大量の洗い物と、疲れ果てた母を残して、あっという間にキッチンを去って行った。


さてと、そろそろ母さんは、豚肉を焼くとするか・・・。


時刻は、夜の7時を回っていた。


白いご飯の下に
カレー味のチャーハン的なのが隠れてるいるよ

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