都会の感染拡大状況をみて、田舎民が思うこと

「自粛生活ももうすぐ1年になります」というのが誇張ではないくらい、県外から出ない生活を送っています。なぜならわたしの暮らす田舎は、高齢化と医療不足が深刻なため、一度感染症が流行すると簡単に医療崩壊すると分かっているからです。

一時期は県庁所在地がある市で感染が拡大し、GoToトラベルで県外からの旅行客・帰省客も多かったので、もう感染するのも時間の問題かなとあきらめモードになっていましたが、今日まで市内の感染者はゼロです。

なので、医療崩壊がすでに起きていると明らかなはずの都会で、なぜこうも無配慮に外出したり、年末年始に帰省したり、遊びまわって感染しても誰も悪くないんだよと言えるのだろうかと不思議で仕方がありません。(決してdisっているわけではなく、本当に純粋に不思議なのです)

Twitterのフォロワーさんでも首都圏在住の方で、外食をし、旅行をし、帰省をし、普通に遊び歩いて、毎日満員電車で出勤している自分が感染していないんだから大丈夫なんじゃない?と言っているのを目にすると、自分のことしか考えていない人だったんだなぁと一方的にがっかりしてしまったり、わたしはこんなに自粛しているのに都会の人は自由でいいなとうらやましく思ったり。

わたしたち田舎に暮らす人間にとって、重症化する恐れがある老人は、近所で毎日挨拶してくれるかわいいおばあちゃんなんです。認知症が進んで、毎日マスクもせず徘徊していて話も通じないけど、1日顔を見ないと急に心配になって、会うとほっとするおじいちゃんなんです。感染の恐怖と戦いながら、神経も体力もすり減らして仕事をする医療従事者は友達のお母さんだったり、ご近所の奥さんだったり。

もう一方で「あそこの家は東京の子供が帰ってきてるんだって」「あの人自粛期間に都会まで飲みに行ったんだって」「あの人PCR検査受けたらしいよ」と嫌な表情でささやく人も、職場の性格の悪い人だったり、普段は優しい情報通な近所のおばさんだったりします。

都会に住む人たちが、顔が見えない人への配慮を出来ないのは仕方がないのかもしれない。そういう面倒な人間関係が嫌で田舎を出た人達の集まりが都会なんだろうと思うと、納得もできます。都会の人と話した際、田舎の居酒屋が「県外のお客様はご遠慮ください」と貼り紙をしていることにご立腹で、どんなに上記を説明しても納得いっていない感じだったことを思い出します。田舎の人は徹底して「人に迷惑をかけるな」「掛けた迷惑は自分に返ってくる」と訓練されて育ってきているので、道を外れる人に敏感です。そしてそういった人を排除したり、悪いうわさを流して嫌な思いをさせるのも当然だと思い込んでいます。わたしはそういうのが嫌いで加担しないように逃げていますが、自分が目立つことをしたらそうされても仕方がないのかなと思ってしまうくらい昔受けた教育が根強くのこってます。

都会と田舎では異なる国くらいに文化が違う。どちらもいい面悪い面があって、それを大切にしたいなら、お互いが尊重すべきである。そう理解しながら、わたしは相手の顔が想像できる人間でいたいなと思う、コロナ禍の今日この頃なのでした。

(そしてこれを記した直後にかかってきた職場の電話、成人式後の飲み会を10人以上で出来る場所というたどたどしい女の子からのお電話を申し訳なさそうにお断りして、心の中で罵詈雑言を吐いている、心の狭いわたしでした・・・尊重・・・)

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