よみもの「鍋底の焦げでも食ってろ」
喫煙所。隣は非喫煙者の女友達。
吸わないのになんでここにいんの。外で待ってればいいのに。
彼女は突然、軽く音を立てて息を吸って、なにか深刻そうな顔して
「さいきん、貧血がひどい」と、ゾンビみたいな顔して嘆いた。
うん、おまえ明らかに貧血って顔してるよ。
「なんで?夜ふかしでもしてんの?」
「いや、わかんないけど」
心底どうでもいいような気もしているけど
なんだか放っておけない彼女に
「明日さ、病院いこ」車出すし。なんか薬でも出してもらえばすぐ良くなるんじゃね。と言った。
剥げかけている真っ赤なネイルとは反対に真っ青な横顔を見ながら
7つ星の煙を吐いて思った。
こんなとこにいるから具合悪くなるんだろ。
「ほうれん草とか体にいいらしいよ」
あと鉄フライパンの焦げとか。都市伝説と思うけど。
三重県で、シンガーソングライターをしています。代表曲は「ひかりとつき」など。サポートや投げ銭でいただいたお金は制作機材やサイトなどの維持費充てています。応援よろしくどーぞ!!!