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きものがたり

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旅する着物好きの日常をつづります。 アンティーク着物、昭和モダン着物、現代もの。 タイトルは宮尾登美子さんリスペクトです。
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#着物

伊勢木綿の共布でオリジナル足袋

前回、マリメッコの生地でオリジナル足袋を作った話を書きました。 ブランド生地を使うと、どうしても材料費(生地代)がお高くなってしまいますよね。 今回は、家にある余り布を活用して足袋を作った話をご紹介したいと思います。 伊勢木綿の共布で足袋を誂える(主に夫用) こちらは、夫のために誂えた伊勢木綿の着物の共布です。 三重県の伝統工芸品である伊勢木綿については、以前に書いた「ふだん着・街着のススメ! 木綿着物編」で詳しくご紹介しています。 この青と黒のチェック柄の生地も、三重

マリメッコの生地でオリジナル足袋

今日は、和装に欠かせないアイテムである足袋についての熱い思いを書いてみたいと思います。 足袋というのは、洋服で言えば、靴下です。 駅ビルやショッピングモールに行けば、さまざまな色や柄の靴下が売られています。 みなさん、その日の気分や着こなしに合わせて、ごく自然に靴下を選んで履いていると思います。 学校指定ソックスでもない限り、白無地の靴下を毎日履いているよ、というかたは少ないはずです。 足袋も靴下と同じで、白無地の足袋ばかりではつまらないですよね。 ふだんのお出かけのとき

「ゆかた」という名の夏きもの

暑い日が続きますね。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 毎年この時期になると、着物好きの間で盛り上がるのが「ゆかたはきものか否か?」という話題です。 「きもの」と「ゆかた」はどう違うの? 人によってさまざまなご意見があると思いますが、わたしが考える「ゆかた」と「きもの」の違いは、その着こなし(コーディネート)にあります。 「きもの」:長襦袢を着て、足袋をはき、草履をはく。 「ゆかた」:素肌または肌着の上に直接着て、裸足に下駄をはく。 現代では「きもの」も「ゆかた」も

着物で日帰り旅行のススメ! 聖地巡礼編

着物で旅行してみたいけど大変そう、というかたに向けて 旅行の季節がやってきましたね。 これから、遠くへお出かけの計画を立てているかたも多くいらっしゃると思います。 浅草や京都では、レンタル着物で街歩きを楽しんでいる男女の姿を、よく見かけます。 旅先で着物を着るというのは、着物好きにとって、あこがれですよね。 レンタルも良いと思いますが、せっかくなら、お気に入りのマイサイズの着物を着たいものです。 自分の着物で旅行をしてみたいけど迷っているかた、本当に一日中着ていて大丈夫

ふだん着・街着のススメ! 木綿着物編

「特別な日の着物」と「何でもない日の着物」 わたしが着物を着ていると、よく言われる言葉があります。 「私も持っているの。でも着る機会がなくて」 「私も持っているわ。でも着ていく場所がないでしょ」 こういう類の着物を着ない理由をお話しされるご婦人がたというのは、とても良い物をお持ちであることが多いです。 具体的に言うと、留袖や黒紋付、訪問着、振袖などですね。 ふだんの生活において、これらのお着物の「着る機会がない」「着ていく場所がない」のは、ごく当たり前のことなのです。

吉弥結びのふ・し・ぎ

前回、夏きもので増上寺盆踊りに行った話を書きました。 このとき、久しぶりに半幅帯を締めてみて、半幅帯って軽くてラクだなぁと、あらためて感じた次第です。 ふだんは名古屋帯をお太鼓結びで締めているのですが、半幅帯は帯枕を使わないので、帯揚げもなし。 帯枕というのは、お太鼓の山の形を整え、帯を支えるために使います。 帯揚げは、その帯枕の紐を隠し、美しく装うためのもの。 帯枕と帯揚げは、お太鼓結びになくてはならない必須アイテムです。 そんな名古屋帯のお太鼓結びとくらべて、帯枕

夏きもので行く! 増上寺盆踊り

2023年7月22日。 港区芝公園にある増上寺の地蔵尊盆踊り大会に行ってきました。 芝公園駅で降り、地上に出た瞬間に聞こえてきたセミの大合唱。 我が家の近くにも大きな公園があるのですが、園内を歩いていても、か細い声がひっそりと聞こえてくる程度です。 ふだんの暮らしで大音響のセミの声を聞くことはまずないので、すごく夏らしさを感じました。 増上寺の境内やその周辺は、こんなにたくさんのセミが生息できる、ゆたかな自然の土があるのでしょうね。 増上寺とは 増上寺は、浄土宗の七大本

大正ロマン柄(帯)×古典柄(着物)

2023年7月初旬。 誕生日祝いもかねて、夫がコンラッド東京のアフタヌーンティーに連れて行ってくれました。 この日のコーデの主役は、鮮やかなピンクの地色に、織りで大きな百合の花が描かれた絽の名古屋帯。 THE 大正ロマンなアンティークの帯です。 アンティーク着物にあこがれて着物好きの間では、大正から昭和初期につくられた着物(帯も含め)を「アンティーク着物」と呼んでいます。 今年は終戦から78年目。 アンティークと言えば、本来は100年以上経過したものを指す言葉ですが、第