雨の音が耳につく
ただあの頃のように
突き動かされる
感情の波はなく
ああ、とうとう
貴方のことも
忘れてしまうのかと
怖くなる

私の手はふたつしかないから
誰かを護ってしまえば
自分を守れなくなるのを知っている

私が傷つかなければ強くなれば
ひとりくらいは護れる事を知っている

守れなくても耳をふさいで
目隠しの代わりに胸元へ
抱き寄せることくらいは
出来ることを知っている

来年の目標を立てる度に思い知る

ひとが普通に見る未来を自分が見ていないことに

暗闇で耳をふさいで目を閉じて
鳴き声はいつからから出なくなっていた
水はでるけど赤くはならない
明るい光を見れば笑える
辛くはない辛いとは
何だったか忘れてしまった
それと同時に楽しいということも
何だったか忘れてしまった

ああ、先のことを
考えられる知恵
見られる希望
追い掛ける行動力
そこへ向けられ育む愛情
私は今日出逢ったあなたを
今日愛するので手一杯で
明日の事すら本当は考るのすら億劫で
普通と呼ばれる人達が普通にこなす毎日を
私は一日終えるだけで手一杯なの。