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恋ごころの扱いかた

友人の恋バナ(恋バナってまだ言う?言うよね??)を聞いた夜のことだ。Yくんの夢を見た。もう30年近く会っていない、いま思えば初恋の彼だ。

大人になったYくんと再会して、何だか楽しそうに話をしている夢。朝になり、そんな夢を見たこと自体に驚きながら天井を見上げた。そして思う。

−あー、これは、○ちゃんに言わなきゃな。

「いま思えば初恋の」と言ったのは、当時はそんなこと思っていなかったからだ。思っていなかった、というより、自分のなかでなかったことにしていた。コンプレックスだったのだろう。いわゆるモテるタイプだった彼と、体も大きく、自分が世間一般的に言うところの「かわいい女の子」じゃないことをもう十分に知っていた、思春期に片足突っ込んでいたわたし。こんな自分が彼を好ましく思っているなんて、とてもじゃないが友だちにも言えなかったし、認められなかったのだ。恥ずかしかったのかな。早くもこじらせていたとも言える。

−でも、感情って、なかったことにはならないんだなぁ。

いろんな事情があって、「好き」をなかったことにしようとしている○ちゃんの恋バナに刺激されて出てくるほどには、その感情はまだ「生もの」だったのだ。どれだけ時間が経っていても(30年近く!)、どれだけ巧妙に隠していても、なかったことにはならない、「好き」と思った事実。

ごめんね、と思った。

ごめんね、恋ごころ。
あのときちゃんと認めてあげられなくて。

−こんな夢見てさぁ...。

結果がどうとかは置いといて、「好き」って気持ちは伝えたほうがいいと思うよ、と○ちゃんにメッセージを送る。だって後々、夢に見るほど後悔するって嫌じゃん...。

わたしも次、もし「好き」と思うひとが出てきたら、少なくともその気持ちだけは無理やりなかったことにせず、ちゃんととっておこうと思っている。既婚者だけどさぁ。だって心は生ものだから、何が起こるかわからない。ふふふふふ。

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#エッセイ

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