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子育て&自分育て

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育児をするなかで気づいたこと、考えたこと。子育てしながら、自分も育ててます。
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#詩

「わたしを不安にさせないで」

自分の言動をよくよく観察してみると、気づくことは多い。 誰かのことを心配している、と思っていても、 自らの内をじーっと覗いてみると、真相はちょっと違う。 純粋な心配というより、 そのことによってなんらかの影響を受ける(であろう) 自分の未来を不安に感じていることが多いし、 もっといえば、 そのことで自分の心がかき乱されることを嫌っていて、 そんな状態(心がかき乱されること)を避けるために、 なんとか相手をコントロールしようとしている。 あれこれ相手を問い詰めたり、 ど

いまだけ

「この子、わたしのこと乗りものか何かだと思ってないかな」 今日何度目かの「抱っこ〜」に応じながら思う 一緒にお風呂入るのもママ 着替えを手伝うのもママ オムツ替えだってもちろんママ やれやれようやく見送ったと思ったらインターホンがなって、 「ママとぎゅっとしたかったんだって」 と夫に言われて、家着のままアパートの下まで降りた こないだはパパブームだったんだけどなぁ 第五次くらいのママブームか ちょっと疲れて、ちょっとイライラして、 でも、その何倍もしあわせで、 「毎

「あなたに会えて嬉しい」

挑戦することは本来、自然なことなのだなと小さな子どもを見ていると思う。 見知らぬものに手を伸ばす。 昨日できなかったことに今日も果敢に取り組む。 失敗しても凹んだりしないし(というか失敗という概念がない)、「自分は何てダメな奴なんだ..!!」と落ち込んでもいない。 連続性のなかに生きていない彼女は、毎日リセットされて目を覚ます。 毎朝、「あなたに会えて嬉しい‼︎」という笑顔でわたしを見る。 世界を瞬間で見ている。 わたしは今日もその横で、そのお裾分けに預かっている

こんなにも弱くなる

"What makes you vulnerable makes you beautiful."  (意訳:あなたを脆くさせるものが、同時にあなたを美しくする) ブレネー・ブラウンのTEDスピーチより 子どもの存在はわたしを簡単に弱くする。 誰かのひとことが引っかかったとき、根拠のない不安が頭をもたげるとき、昨日とは違う表情で笑う彼女を前に、あぁこの日々はいつか過ぎ去ってしまうのだと思い知らされたとき。 わたしは簡単に荒野に立たされる。 まるで夏のワンピース1枚で、

価値なんてなくてもいいからきみが好き

「自分には価値がない」と苦しむことと同じくらい、「自分には価値がある」と思うことも理解できない。 「価値」というモノサシでひとを測ることがよくわからない。 「価値」なんてなくてもいい。 「意味」なんてなくてもいい。 きみの柔らかい髪が好き。 きみの笑い声が好き。 きみの開かれた心が好き。 きみのいい加減さも好き。 「価値」があるとかないとか、 「意味」があるとかないとか、 そんなことはどうでもよくって、 ただ、生きるっていいなって、 思うだけなんです。 #日記

おやすみ、今日も愛してた

遠くに聴こえる港の花火 蚊取り線香は今夜も30年前の匂いがして、 見上げた天井には豆電球が照らすオレンジの光が輪をつくる 遊び疲れて眠るきみの横で、 わたしもまた眠りにつく まるで もう何年もそうしていたかのように おやすみ、 今日も愛してたよ おやすみ、 明日も愛してるよ #詩

君の手とやさしい世界

君が毎日にこにこしてるのは、 たぶん世界がやさしいところだって気づいてるから 君が毎日にこにこしてるのは、 君を覗き込むみんながきっとにこにこしているから ついこないだまでミルクとねんねの世界で生きてた君が、いまではカタコトながら言葉を紡ぐ 風邪で横になっているわたしを慰めにくる ポンポンと背中をたたくその手 ありがとう でもちょっと痛い。笑 #日記 #詩

名前とは、祈り

きみのことだけを思って きみのためだけに悩んで きみの未来よ健やかであれ きみの人生よしあわせであれと ただそれだけを願ってつけた、 名前 それは祈り 父と母の それは希望 これからきみが出会うひとすべての それは魔法 これからきみが、 人生でいちばん多く耳にする呪文 どんな強力な力であっても はね除けるほどの愛の力で きみを守ったよ そして気づいたんだ わたしもまたわたしだけの名前で、 祈りと希望と魔法で、 ずっと守られてきたんだ

にこにこ

友だち親子と行ったレストランの入り口前、 ちょっとした段差があった 先を歩いていたわたしが手を貸そうと振り向いたそのとき、 子どもはちょうど真横に並んでいた見知らぬおにいさんの大きくて太い指をつかむではないか まるで柱か何かにちょっと手をかけるかのように、自然に おにいさん、びっくりして、にこにこ 一緒にいたおねえさんも、その様子を見て、にこにこ 「ちょうどいいのあったね」と笑ってくれたふたりに 慌ててすみませんと言いながら、わたしもにこにこ 子どもは顔色ひとつ変え

母とわたしと、わたしと娘

実家から母が来ていた。 こちらでも買えるような食材をスーツケースに詰め込んで、子どもへの誕生日プレゼントを携えて。 持ってきた野菜であっという間にいつもの煮物をつくって、 はしゃぐ子どもをあやしながら遊んで、 わたしたちと食卓を囲んで、 そして帰っていった。 母は言う。 昔はもっと何かしなきゃ、働かなきゃ、と焦っていたけれど、 いまはようやく自分の調子を見ながらのんびり過ごすことができるようになった、と。 母は言う。 美香の言葉がきっかけで、そうか、そういう考えか

たくさん

たくさん遊んで見えてくるものは、 たくさん学んで見えてくるものと同じ たくさん愛して見えてくるものは、 たくさん愛されて見えてくるものと同じ たくさん泣いて見えてくるものは、 たくさん笑って見えてくるものと同じ なんだ、みんな同じだったんだ 見えてくるその先は だとしたら自分がどの道を通ってみたいか、 違いはただそれだけだったんだ #日記 #詩 #旅することば #毎日更新

覚えてなくてもかまわない

覚えてなくてもかまわない 今日がどんなに楽しい1日だったか 覚えてなくてもかまわない 今日がどんなに驚いた1日だったか 覚えてなくてもかまわない 一切何も それでもきみのうちに積もっていく羽衣のような心のひだは、 きみさえ知らぬ間に1枚1枚あたたかな色で塗り重ねられていくだろう そしていつかきっと知る 悲しみの色を薄めてくれるのも、 さみしさの色を消してくれるのも、 世界を信頼する勇気をくれるのも、 そんな羽のように軽く淡い1枚1枚の、 魔法のような力だってこと

母とわたしと、わたしと娘

わたしが母を思うとき、 しあわせであってほしいな 好きなことをして笑っていてほしいな 自分を大切にしてほしいなと願うように、 娘もまたいつかわたしを思うとき、 しあわせであってほしいな 好きなことをして笑っていてほしいな 自分を大切にしてほしいなと願うのだろうか ん?待てよ これって一言一句そっくりそのまま、 わたしが娘にも願うことだ そうか、 つまりは、わたしがわたし自身に望むことなのだ しあわせであれ 好きなことをして笑って 自分を大切にしてほしい 母とわ

天使のしわざ

今夜7時半から8時頃にかけて、 調子が悪くて横になっていたときのこと 突然わたしの頬を小さな掌が包んで、 顔中にたくさんのキスが降ってきた 目を開けると見知った顔がにっこり見下ろしていて、 そのままごろんと寄り添い眠りに着いた あれは、 天使のしわざだった気もするし、 見知った顔の2歳児のしわざだった気もするし、 そもそもその見分けがわたしにはつかない #日記 #詩 #育児 #子育て #毎日更新