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お早めにお召し上がりください「成瀬は天下を取りにいく」

話題の本だし、本屋対象だし
おもしろかったっていう話ばかり聞くし

「成瀬は天下を取りにいく」
タイトルと表紙イラストにインパクトが印象的で、流行り物で、いつか読もうと思いつつなかなか手を出していなかった。

成瀬は天下を取りにいく 宮島未奈


とにかく成瀬。しのごの言わずに成瀬。

まるで賞味期限が30分のモンブランのような、「とにかく早めにお召し上がりください」

この本は中学入試の国語の問題文にも使われてたということからも読みたい気持ちがあったもの。入試問題としてこれから中学生になる柔らかくて形状がまだ定まっていない小学生に読んでほしいと学校側が思っている本ということなのだなぁ。
わたしは中学入試の国語の問題として出題された文章を読みたい癖がある。
心の葛藤や複雑性、中高生と普段ふれあっている学校の先生方が読んでほしいとか考えてほしいと思っているんだから、感受性豊かな中年であるわたしも心揺れ動かされてしまう。

成瀬は天下を取りにいく、正直にいうと最初の2章は面白いのか・・・?わからなくて戸惑った。世間の面白がっているものが響いてこない自分のズレている感を感じた。

でも、成瀬はそんなのお構いなく突き進む。これが成瀬のいいところだな。変わり者だけれど。

3つ目の章「階段は走らない」で読み続けることを決めた。

この本は、賞味期限30分のスフレのよう、早く食べなければ、、、

中学入試で出題されたというなら、わたしならどこから出題しようか考えてみた。
迷わず「線がつながる」だな。めちゃくちゃ困っているわけではない。苦しいわけではない。かもしれない。ただ、大人になると感じにくくなる10代らしい「気にし方」を思い出したりしたから。

とある女子中学校では、この章から出題されたらしい。わたしも女子校に通っていたからねそんな気持ちあるかもしれない。
他の学校では違うところから出されたらしい。いいな、こういう学校ごとの違いとか。当たり前だけど。

いいな、中高生の感性に想いを馳せるの。

成瀬はとんでもないし、変わった子だし、勇気ももらうけれど、フツウの女の子でもあるんだな。そんなことでちょっと嬉しくなる。


成瀬は天下を取りにいく 宮島未奈

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