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そうだ、やっぱり小説家になろう

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自己紹介を兼ねて、私が小説家デビューするまでの状況を綴っています。 #自己紹介
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#小説

激レアの経済小説家はひたすらユニークな人生を行く

三度目の最終選考。 会社を辞めてから2度目の挑戦である。 私は全部違う出版社の違う賞に応募している。 なぜこんなにあれこれ浮遊するのか。 それは私が所属するジャンルがないからだ。 何人かの編集者から言われたことがある。 「どの本棚に入れたらいいのかわからないんですよ」 そうだ……小説にはカテゴリーがある。 ミステリー小説、ファンタジー小説、ホラー小説、恋愛小説などなど。 結局私は経済小説というカテゴリーを選んだ。 さて、選考会。受賞作を選ぶとき、高杉良先生と幸田真音先生の

一行でも売れたらプロの文筆家

2008年、私は城山三郎経済小説大賞をいただき、ダイヤモンド社から「ロロ・ジョングランの歌声」を出版した。 以来、KADOKAWAや中央公論新社からも小説を出版している。 でも、小説を販売して生計を立てるにはほど遠い。もともと経済小説は取材が大変な分野で、経費が掛かる。私はODA業務で様々な国に行き、調査に慣れているので情報収集能力に長けていると思が、あくまでも報告書を書くための情報であって、小説のためのものではない。だから、まじめに一冊書こうとすると、印税よりも取材費の方が

小説を書くためにお金を貯めろ(!?)

「これ以上小説を書くことをお勧めしません」 そう編集者に小説家失格を宣告され、10年近く小説を書くことをしなかった私。 その私が、なぜまた小説を書き始めたのか。 答えは簡単だ。 結局私は書くことをやめられなかったのだ。 私が従事していた国際協力の仕事とは、主に開発調査と言われるものだった。若いうちは、開発案のプロポーザルを書き続けた。プロポーザルを読んだ先輩社員は「松村さんのプロポーザルを読んでいると、できる気持ちになってくる」と言われた。「小説みたいに惹きこまれる」とも

小説家ってなんだろう

「小説家になりたい」という人って結構いるみたいだ。 でも、小説家ってなんなんだろう。 私は30代で初めて小説を書いた。 大手出版社の新人賞に応募して、二次選考まで通って、 「へぇ、案外行けるもんだ」 と、最初は甘くみた。 2作目はもっと行けるんじゃないか、と調子に乗ってまた書いた。 確かに、2作目は最終選考まで残ったけれど、こっぴどく酷評されて落とされた。 私としては不本意な選評だったが、3作目も書いてみることにした。 3作目は知人を介して大手出版社の編集者に原稿を直接渡す