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ヤー子's ストーリー

 ヤー子はいじめられっ子だったそうです。

 ヤー子とミー子の出会い。ヤー子を軽トラックで連れてくるとミー子は早速反応しました。何にでも興味津々で『何?何?何?何?』ってグイグイ首を突っ込んでくるミー子。『他のヤギが来た!』となれば直ぐ様リードの許す限りダッシュ!ヤー子との至近距離まできました。ミー子がお鼻をヤー子に近づけます。お鼻を近づけるのは興味津々やご挨拶なんじゃないかな。すると即座にヤー子は頭突き寸前の威嚇です。でも天使ミー子はサイド挑戦。またしても威嚇。3度目の正直、、というところでミー子も流石に一歩引き下がりました。ヤー子は雌だけれど角があるヤギです。頭突き勝負ではおそらく相当有利ですし、角無しのミー子からしても怖いと察します。人間はまだしも、同じヤギに対して警戒心を抱いているのは切ないです。

 ヤー子の目は少し大きめでギョロっとした感じです。その目の焦点が定まっていません。なんとなくうつろです。半径50センチ以内に入ると飛ぶように逃げていきます。少し近づけた時は何となく胃腸が悪そうな臭いが鼻からします。毛もボサボサしてます。

 ミー子が嫌がる小屋は完全にヤー子のモノになりました。食事の時以外はその小屋にいます。壁と壁の隙間から、ジーッと見ています。『家政婦は見た』みたいな雰囲気です。

 ヤギの大好物の1つ桑の木の樹皮。ヤギは木の皮を自分で剥いで食べます。ミー子はどうも木の皮を剥ぐ経験値が低いらしく、私や棟梁がある程度剥いであげて、あとはお口で引っ張って食べられるようにしてあげる事があります。そんな様子を3メートルくらい離れたところから、ジーッと観察してます。『私もちょうだい!』と近寄ってはきません。

 ミー子は基本怖いモノ知らずといいますか、無知といいますか、、いつもと変わらない感じです。ヤー子に過剰に干渉するでもなく、無視するでも無く。そんなところも天使だぁ。

『ゆっくりね、ゆっくりね、ヤーちゃん。いつか撫でさせてもらえる日を楽しみにしてるよ。』

 そう、心の中で語りかけました。


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