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hitachi frogs5期生に応募して

結果から言えば、私は、5期生になることはできなかった。
これは、中学1年の初夏。私にとっての大きな挑戦の記録。
今回の記録が、今、何かに迷っている人に届いたら嬉しい。

フロッグスとの出会い

「今年のhitachi frogs(以下、フロッグス、常陸フロッグス)の募集始まるみたいだよ」
きっかけは、母からの一言だった。
これまでに母が取材などに行っていることは知っていた。
なんとなく、優秀な人たちがビジネスを考えるんだろうな、というようなイメージしかなかったけど、瞬間的に「やりたい」と伝えた。
「じゃあ、部活の日程とか見ながら自分でなんとかやってみて。公式サイトに過去の動画とか上がってたよ」
仕事で忙しい母はそういうとタブレットとパソコンを貸してくれた。

「常陸フロッグス」

過去にYouTubeを見すぎて制限がかけられて、利用の自己申告・時間制に変わり、あまり触れなくなったパソコンで検索ボタンを押した。

準備1:説明会5時間?何するんだろう

まずは、事前説明会に参加するためにエントリーを済ませた。
部活の予定のない日にち。残念ながら対面の日は都合がつかず、オンラインの日だ。
開催時間は、約5時間。
説明会って、これこれこんなことをやりますよ〜と説明聞くだけじゃないんだ。
確かにワークショップ形式と書いてある。何するんだろう・・。
不安とワクワクを抱えたまま、当日を迎えた。

準備2:最年少かも・・不安とワクワクの説明会

想像以上に大変だった。
これまで10年、子役としてたくさんのオーディションや撮影の現場に出入りしていたので、初めての人とのコミュニケーションには自信があったし、問題なかったと思う。
でも、自分の知識のなさが、分かって情けなかったし、もっと世の中を知らなきゃいけないとも思った。

「わからないことはわからないって正直に言っていいんだよ」
「わからないことは恥ずかしいことじゃないんだよ」

母がよく言う言葉を信じて、自分なりに説明がうまくできなくても、できる限り発言はしたと思う。
終わるとクタクタで、あっという間に眠った。

DAY1:書類選考

説明会から、Yahoo!ニュースや毎日新聞の中高生向けページ、NewsPicksをできる時だけだったけど読むようにした。
自分の知識のなさは分かっていたけど、応募するのは決めていたので、できる限りの思いを込めてエントリーフォームを書いた。

2日後、電話とメッセージで書類選考合格の連絡があった。まだ先に選考があるのは知っていたから、うれしかったけど、まだ不安の方が大きかった。

DAY2:一次選考(オンライン)

自己紹介で、色んな研究をしている人や、海外からの留学生など多様な人たちがいることを知った。
この日はテーマに合わせてそれぞれの意見を発表した。
みんなそれぞれの意見を持っていて、新しい価値観に触れることができた。

全体として積極的に意見をまとめてくれる人がいて、その人に頼りきりになってしまったと思う。
そこを挽回できないまま終了時間を迎え、後ろ髪を引かれるような思いでZOOMから退出した。

その日の夜、母の携帯が鳴った。
通るとは思っていなくて、うれしくて思わず「やった」と声が出た。

DAY3:最終選考1日目(オンライン)

いよいよ最終選考1日目。
この日までに、知り合いの経営者の人たちにいくつか相談をした。
一次選考の時のようにはなりたくない、一つでも自分の武器を増やしたかった。
アドバイスを受けて応援の言葉に力をもらい、その勢いで、最終選考にのぞんだ。

この日は、高校生と大学生のお兄さんたちとチームを組んだ。
チームのお兄さんたちはたくさんの意見を出していたが、アドバイスを受けたにも関わらず私は意見を出せずにいた。
私は、お兄さんたちの話についていくので、精一杯。
なんとかくらいついてスライドを完成させた。

23時過ぎ。
ここまで来たら当たって砕けろだ、と心の中で呟き布団に入った。

DAY4:最終選考2日目(リアル開催)

この日は仕事のある母に変わって、兄が会場まで連れて行ってくれた。
前日のオンラインの選考会では、自分の意見を出せず、任せきりだったこともあり緊張と不安で息が詰まりそうだった。

でも、同じチームのメンバーはオンラインの時よりも楽しそうで場を和ませてくれて、そこでやっと自分の意見を言うことができた。
そして、その意見はスライドに反映された。
仲間がいたおかげもあってほどよい緊張感のまま発表を迎えた。

私たちの発表の順番がきた。
多少のトラブルはあったが、私としてはチームのみんなで実力を出し切れたと思う。
後悔はなかったが、いざ他のチームの発表を聞いていると圧倒され、もっと工夫できたんじゃないかと不安になった。

審査結果

「今年の選抜生はーーー・・」
分かっていた。でも、ほんの少し、期待もあった。
正直悔しかった。情けなかった。デニムを握っていないと涙が溢れそうだった。
私は選抜生に選ばれなかった。

選抜生発表後は交流会があり、その中で運営の人たちにフィードバックをもらった。
もっと自分の意見を発表できるとよかった、という評価だった。

その後、交流会の終わる時間に合わせて迎えに来てくれた母に「どうだった?」と聞かれたけど、エレベーターに乗った瞬間涙が溢れてきて、返事ができなかった。
外を見るふりをして背中を向けていたけど、きっと気づいていたと思う。
帰りの車で「また来年も応募していい?」それだけ聞いた。
「もちろん」母はすぐに返事をしてくれた。
家に帰っても何も言わない私に、父も母も兄も何も言わずに普段通りに接してくれたけど、私は逃げるように部屋に入った。
まだ、気持ちの整理ができてなくて、とてもじゃないけど話せないと思った。

部屋にこもってベッドの上でいろんなことを考えた。
選抜生と私の違いはなんだったろう。
選考会の時からなんとなく気づいていたことだったけど、改めて考えた。
たくさんたくさん考えた。
オーディションに落ちた時に「悔しい」「受かりたかった」そう言って泣いていた頃の私のままじゃダメだ、漠然とだけど、そう思った。

やるかやらないか

気持ちも落ち着いて、母にようやくポロポロとここまでの振り返りを話していたら、このnoteを使った記録を薦められた。

フロッグスに応募したころ、私は世界規模で考えなきゃ、と途方もない大きな夢を実現したいと思っていた。
でも、次第に考え方が変わっていった。
大きな夢を持つことはいいことだと思う、でも、それ以前に近くで困っている人がいるのではないか。まずは「身近な人でいい」初めてそう気づいた。
選考会の中でもそれに近いことは言えたと思う。

ここ数日考えて、私に必要だったのは、思考力、判断力、表現力の3つだ。

思考力は自分の意思で考えて自分の考えを持つこと。
判断力はその考えをもとに自分で判断すること。
表現力は自分の考えを相手に伝わるようにすること。

反省点で言うと、私には思考の数と思考し続ける力、表現力が圧倒的に足りなかった。
そして、意見や思いを伝えて、周りを巻き込む力も必要なんだと思った。

私は自分でもコミュニケーションが得意と思うくらいには、年齢性別関係なく誰とでも喋るのは好きだ。
でも、今回は自分の考えの未熟さを当日までの間にすごく感じていて、自分の考えをはっきりと発表できなかった。
大人数の前でいざ話すとなると、緊張してうまく話すことができなかった。
演技ではその役の背景を考えて、セリフや表現をするけど、これは違う。
誰かが考えた台本も、背景もないから、全部自分で考えて理解して伝えられるようにしなきゃいけない。
同じグループのお兄さんたちに着いて行かなきゃと必死だったけど、自分の意見に自信が持てなくて、それが緊張につながって、うまく表現できなかったように思う。

でも、この短い期間の中でも、一歩だけ、前に進めたような気がする。
この一歩は、私にとって大きな一歩だ。
やるかやらないか、「やる」を選択したから、こうして気づけたことがある。

これから先、いろんなことがあるだろう。
それでも、私は「やる」を選択し続けていきたい。

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