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10代最後の誕生日、病室にいた

今日、僕は入院して1週間が経つ頃だろうか。

入院初日のことはあまり分からない。いや、多分わかりたくないのだろう。向き合えてないのだろう。

ただ情熱はあった。それを自分や他者に危害を加える方向に向かっていた。そう、「ありがとう」を忘れていたのだ。そして僕は精神科病棟に入院した。

入院してからというもの、日に日に人間に戻れている気がする。なんだか嬉しい。

三度、目まぐるしく部屋の引っ越しをした。

病院は人間の体と似ているなとも思った。

患者、看護師さん、医者さん、すべてが機能している。よくなった者は新陳代謝のために部屋を移動する。目まぐるしく。さすがの病院。僕の身体みたいに忙しい。

さて、記憶を辿ろう。

初日

この日は泣いて泣いて叫んで叫んでいた。
自分がしたことの重大さを拡張して死にたくなっていた。本当に。死にたかった。飛びたかった。

2日目

なんだか本当に死にたいと思っていた。
往来、鳥が好きな理由がわかった気がしたと思う。
そして夕日を見るだけで、白米を一粒口に運ぶだけで、涙がこぼれた。染まりたかった。いや、縋りたかった。頼りたかった。と思う。

3日目

この日も辛かった。甘えたかった。ずっと口癖になりそうな勢いで「慰めて、お願いだから。」と言っていたと思う。3回目の睡眠薬を飲んで眠るように寝た。

4日目

辛い辛い。でも薬に頼りたくない。心臓の心音が大太鼓のように鳴り響く中、深呼吸を腹ではできず肩でして、なんとか命を繋ぎ止めた。薬に頼らず寝れた初めての壊れそうな夜。

5日目

主治医に2日ぶりに会えて甘えた。安心した。

6日目、誕生日

あんなに吠えた家族と初めての面会をした。
ケーキをもらった。手紙ももらっていた。お守りのように枕の下に入れていた。愛だった。元気だ。ハグをした。そして両親に目の前でさせた(笑)

7日目

自由に部屋を出られるようになった。
久しぶりのゲーム、オセロをした。偶然目が逢った患者さんと。やはり同じ境遇だった。

8日目

スマホを自由に使えるようになった。誕生日のお祝いLINEで溢れてた。すごくすごく喜んだ。少しハイになった。

9日目

主治医は優しい。そして研修さんも。医学生は無理。劣等感がすぎる(笑)

そして、今

向き合えた。強くなった。復習できた。
そして前を向いた。絶対に生きるぞ。生きるぞ。

自分の好きな自分になるには

めげない。くじけない。そして頼る。頼られる。お金より愛。そして、健やかに。動け!俺よ!!!

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