見出し画像

500年以上の歴史がある図書館の特別室ノッテボーム・ルームに行きました。~Nottebohmzaal in Antwerpen

ベルギーのアントワープにあるヘンドリックス・コンサイエンス遺産図書館(Erfgoedbibliotheek Hendrik Conscience)内にある、ノッテボーム・ルーム(Nottebohmzaal)の特別公開に行ってきました。

ノッテボーム・ルームは普段は閉室していて、その部屋で展覧会やイベントがあるときか、グループでガイドツアーを予約したときだけ入れる特別な部屋です。

ヘンドリックス・コンサイエンス広場。左のポスターを貼った窓のとなりがノッテボーム・ルームの入口です。

図書館の名前は19世紀ベルギー・アントワープ生まれの作家ヘンドリックス・コンサイエンスに由来します。図書館前の広場も彼の名前にちなんでつけられ、彼の銅像もあります。

図書館の向かいに建つ教会Sint-Carolus Borromeuskerk

図書館は石造りで見るからに歴史を感じる建物です。この建物は17世紀に向かいに建つ教会の一部として建てられ、その後改築をされて図書館として活用されるようになりました。

ノッテボーム・ルーム

ノッテボーム・ルームに入ると、革の本のにおいがブワッとしました。ここには15万点の書物が保管されているそうです。

もう部屋に入った時点で、知の集積の歴史に圧倒されました。

ノッテボーム・ルームの名前は、ベルギーのアントワープのパトロンであり、ドイツの商人の家族の末裔であるオスカー・ノッテボームに由来します。

ノッテボームは生前から購入した美術作品を美術館に寄贈していたのですが、彼の死後、遺言によりアントワープ市立図書館に多額の寄付をしたことにより、その感謝の印としてこの部屋に彼の名前ノッテボームの名前を付けたそうです。(遺産は図書館だけでなく、美術館にも所蔵していた作品を含め多額の寄付がされていました。)

書籍以外に図書館に寄与した人物の銅像があったり、著名な作家の本の一説などが柱に記されていました。

上にも廊下が設置されて本が陳列されています。ここには一般客はのぼることはできません。

下にも書庫が続いています。こちらも一般客は降りられません。

棚にはアルファベットが下から上に向かって振られています。

このアルファベットは位置を示すためのもののようで、著者名や書名とは関係がないようでした。

ノッテボーム・ルームの一番奥には17世紀オランダのアムステルダムで活躍したジョン・ブラウが作った大きな地球儀と天球儀がありました。

イヤホンガイドによると、小さな地球儀と天球儀よりもこれくらい大きな地球儀と天球儀のほうが保存状態がよく、現代まで残っているそうです。それは大きなものは鑑賞用で、小さいものは実際に手でぐるぐると回して使っていたので傷んでしまったからだそうです。

日本のある辺りの地図。

この頃、日本はヨーロッパ諸国にすでに「発見」されていましたが、まだその国土の形ははっきりしてなかったのでぼんやりと島が連なった形で描かれています。

地球儀の南半球の部分

広い海には帆船といろいろな種類の海獣がいます。

今回、通常は入ることにできないノッテボーム・ルームに入れたのは、16世紀のアントワープの歌本の展覧会をしていたからです。

受付で借りた無料のイヤホンガイドで、その歌を少し聞くことができました。


Nottebohmzaal
Erfgoedbibliotheek Hendrik Conscience
Hendrik Conscienceplein 4, 2000 Antwerp




読んでくださってありがとうございます!いただいたサポートは美術館巡りに使わせていただきます!