見出し画像

HBO制作映画 バッド•エデュケーション

HBO制作の映画、Bad Education(バッド•エデュケーション)を観ました。今日はネタバレしないよう気をつけながら、ゆるりとレビューしたいと思います!

ヒュー•ジャックマンを観る映画!

この映画を観るまで、彼は私の中では未だにX-メンのウルヴァリンのイメージが強かった。1番印象に残っているのが”Logan(ローガン)”だからかもしれないし、ずっと観てきたキャラだったからなのかもしれない…。アクションスターの印象が気付かないうちについてしまっていた。ある意味、映像の怖さかな?とも思う。だけど今回は良い意味で最近の役柄と違ってじっくりと1人の人間を演じ切った!これは、本当に拍手もので淡々と進む脚本でも飽きさせる事ない演技力と思った。

そういえば、観終わった後に”Prisoners(プリズナーズ)を思い出した、、あの演技もなかなか凄かったし良い俳優だなと思ったっけ。。あの映画を観た時と似た気持ちになった…。良い歳の重ね方をしている。

競争社会の膿

これは実話で、アメリカの高校で起きた巨額の横領事件についての映画だ。観ているうちに、これは競争社会から出た膿の話ではないかと感じた。学校間のランクづけや、権力者を筆頭とし優劣をつけるシステム。人と比べ自己を評価し、それで価値を計る。そんな事にはキリがなくいつまでも心の空虚さは埋まらない。このループに入った人間の煩悩は止まる事を知らなくなってしまうのではないか。。。欲は止まる事を知らない。他人や所属外組織と自分をいつも比べ良く見せようとする。こういう事を常に気にする事は、どれだけ窮屈でプレッシャーがかかる事か。

ヒュー•ジャックマン演じる主人公フランクは、教育長として学校のランクをあげ一定の成果を残した優秀な人物だった。これは誰しも出来る事でなく、褒められるべき成果である事は間違いない。トップとして周りからどう見られるか、見た目にもかなり気を遣うフランク。。。彼はきっと自分に対する”こう見られるべき”というような理想像があって、そのために見た目にも気をつける人物。ある種いつも他者を基準にしているから自分を持っていないし、演技をしているようにも見える。気の毒な人物だ。。。

これは競争社会が生み出す、モンスターの話かもしれない。

人の二面性

ある意味、フランクは凄く真面目だからこそ成果を出したし公の場では演技するので評判も良かった。ただ裏ではとんでもない事をしてしまっていた訳でなんとも言えない気持ちになる。。本当に彼はこんな事をしていたかったのだろうか…。ラストまで鑑 賞してもどかしいような悲しいような気持ちになった。

一つ言える事は、他人から良く思われる事を期待して行動する真面目人間は不幸だし、精神的に危うくなりやすいという事。人は完璧でないし思ったほどは強く出来ていない。弱さを見せたくないし認めたくない真面目人間ほど壊れやすく、一歩間違うと何するか分からないと思う。

バッド•エデュケーションどうだった?

バッド•エデュケーションは映画としては特に大きな抑揚もなく淡々と進む印象だった。だから、あまり豪華さはない。でも実話ベースの話なんだから、下手な演出で盛り上げようとすると真実味が薄れてしまうから私はこういう作りも好きだった。

不思議な事に、淡々と進むのに全然飽きずに見る事が出来た。これはヒュー•ジャックマンの演技力もあるかもしれないけど、どうしてなのか?調べてみたらエミー賞で作品賞も受賞したみたいで納得。地味な映画でも平気な人にはお勧め出来る作品です!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?