海外NFTインフルエンサーの「下落相場のいま、考えていること」Zeneca氏のニュースレターより

6/13(月)仮想通貨の価格がクラッシュしていますね。主要なNFTコレクションも60%~90%価格が下落し、この数日で雰囲気が変わりつつあります。

「こんなとき、どうしたらいいんだろう?」とtwitterを眺めていても恐らく、そこに答えはありません。NFTインフルエンサー/コレクターの@zeneca_33氏が、参考になるニュースレターを発信していたのでご紹介します。2018年の仮想通貨バブルも体験した彼がいま思うこと、共感できる方も多いのではないかと思います。

紹介については許諾済、一部抜粋となるため興味がある方は原文もお読みください

Letter from Zeneca_33 / episode27: Red Candles

■私たちはいま、冬の時代にいます。
地合いは悪く、比較的"安全"な資産といわれてきたBTCとETHを含め、ほとんどのものがATH(最高値)から50~100%下落しています。

私にもいつ、どうやってこの状況が好転するのか全く分かりません。
クリプトと NFTが実は無関係な技術であり、ただの詐欺/ポンジスキーム/カルトであることが判明した場合、すべてが崩壊します。でも、そんなことはないでしょう。私はブロックチェーンを取り入れることで、世界がより良い場所になること、NFTは技術としてゲームチェンジャーであると信じています。

私は2017年に初めて仮想通貨に手を出しました。エキサイティングでしたがが、ほとんどは投機的なものとして扱っていました。

イーサリアムについて調べていくうちに「どうやら、ここには特別なものがあるぞ」と確信していました。スマートコントラクトやdApps。私よりずっと頭のいい人たちが、あらゆる可能性のあるユースケースについて話していてました。私はただ「ああ、それはすごいな」と頷いていました。
しかし、私は本質的に「理解」することができていなかったのです。

ただ、数字や価格が上がっていくのを見るのが好きでイーサリアムやアルトコインを買った自分は天才だと思っていました。そして、そのことを友人たちに興奮しながら話しました。しかし…その後に市場が暴落。私はもう、どうしたらいいのかわからなくなりました。価格は元に戻るのか?どこで売ればいいのか?この実験は失敗ですべての仮想通貨の価値はゼロになってしまうの?

結局、私は何もしませんでした。
ずっとホールドしながら仮想通貨から興味をなくしてしまいました。
価格は上がらないし…もう楽しくなくなったんです。

イーサリアムという言葉はクールですが、技術的なレベルで「理解」できていなかった。スマートコントラクトが、どのように世界をより良い場所にするのだったか、もう私には分かりませんでした。

だから私は「普通の生活」に戻りました。2018年になり、ときどき価格をチェックして、まだ下がっているのをみて少し嫌な気分になることはありました。でもだんだんなにも感じなくなりました。2019年、2020年…もう価格をチェックすることすらしませんでした。時折、ニュースでビットコインやイーサリアムに関することをみても「へえ、そうなんだ」と肩をすくめただけ。私はこのゲームから手を引いていたのです。

そして2021年。具体的には去年の2月のことです。友人が、Hashmasks(当時流行したNFTのひとつ)とは何か、NFTとは何か知っているかと尋ねてきました。もちろん、知らなかった。「なんか詐欺っぽいな」と思いながらも、一応調べてみたんです。

21年2月リリースのNFTコレクション「Hashmasks」持っているだけで10年間トークンが蓄積されるという仕組みでした

NFTだけでなく、ビットコインやイーサリアムについても。YouTubeの動画を見たり、本を読んだり、Twitterのアカウントを作ったり、DeFiやOpenSea、MetaMask、メタバースを発見したり、とにかく私が興味を失っていた間に頭のいい人々が作ってきた素晴らしいものを発見していきました。

イーサリアムの価格があがっていること、クリプトパンクスが高額になっていること、何年も前から開発されてきたメタバースの土地、sadboxをみて興奮しました。もっと早く勉強すべきだったと、嫌な気分になったほどでしたを

「このままではいけない」と思いました。

2017年にイーサリアムの未来を感じていたのに、その後、数年間無視していたことを愚かに感じました。なぜ週に1時間、いや、月に1時間でもクリプトの最新情報を知ろうとしなかったのか?なぜ、ドルコスト平均法で投資しなかったのか?

もしタイムマシンがあれば私は2018年にからやり直し、投資としてだけではなくクリプトの世界で学ぶことに時間を費やしていたでしょう。

■if~もしも~
そんなふうに2018年当時に感じたのと同じことを、まさに今日も感じています。あの頃の私と同じように、もうクリプトから興味を失っていく人たちも多いでしょう。数字がもう上がらないから興味を失っう、バブルのときのように楽しくないから。

それが普通。それでいいし、人が離れていくのは避けられないことです。

でも、今回またクリプトがつまらなくなってもは私はどこにも行かないし、前回よりも多くの人がこの世界に残ってくれると思っています。私はクリプトとNFTを以前よりもずっと理解しています。強い信念があります。

私にみえている先の未来です
・これから実現されるNFTの素晴らしいユースケース
・世界的な企業がこの分野に参入すること
・本当の富裕層がNFTアートのコレクターになること
・多額の資金を調達するファンドが生まれていくこと

いつか世界中の人々がクリプトの知識や情報を共有し、ネットワークができ、カンファレンスが毎週のように開催されるでしょう。

この弱気な相場がいつ、どこで、どのように終わるのか誰にもわかりません。私たちにできることは、経験に基づいて予想し、できる限り自分の位置を把握しておくことです。

でもやはり、ほとんどのNFTプロジェクトの価値はゼロになると思います。

いまあるものだけでなく、これからも新しいNFTプロジェクトがたくさん出てきて、その多くもゼロになるでしょう。しかし、生き残って成長するものがあるはずです。いまのうちに購入しておいて伸ばすチャンスはありますが、リスクがとても大きいです。私が思う最善の方法は、「バランスをとること」です。

■バランスをとって生き残ること
私たちにできるのは「きっとありえない、そんなことは起こらない」ということにすら、考慮しておくこと。そう、戦略をたてること。

現金や安定したコインで貯金しておきましょう。(個人的にはUSDCが「最も安全」だと感じています) 貯金の額は、あなたの生活状況によって異なります。世代によっても変わります。いま22歳で安定した仕事を持ち実家暮らしで独身の人より、40代で住宅ローンがあって家族を養っている人のほうがリスクが高い。当然ですよね。

昨年は多くの人が私にも尋ねました「仕事を辞めてフルタイムでWeb3に集中するべきでしょうか?」と。この質問に「すぐに仕事を辞めてweb3にフルベットすべきだ」と説くインフルエンサーもいました。これは間違ったアドバイスです。いまなら、みなさんもわかりますよね?

私はこう回答していました。モーツァルトのたとえ話です。

若い作曲家「モーツァルトさん、私は交響曲を書こうと考えています。どのように始めたらいいでしょうか?」

モーツァルト「交響曲というのは非常に複雑な音楽だが、君はまだ若い。もっと簡単なもの、例えば協奏曲から始めたらどうだろう」

若い作曲家 「でもモーツァルトさん、あなたは8歳の時に交響曲を書いていたんですよ」

モーツァルト「そうです、でも私はどうやって始めたらいい?と誰かに質問したことはありません」

もし誰かに聞かなければ決められないのなら、答えは「ノー」でした。質問するくらいなら、絶対にいまの仕事を辞めるべきではないでしょう。

Web3では、物事を徹底的に考えてあらゆる可能性を想定して計画することが大切だと思います。私は複数の収益源を持つことを勧めています。クリプトとまったく関係ない定職についておくべきです。例えばですが、「トレーダーがNFTプロジェクトのコミュニティ・マネージャーを仕事をする」のはおすすめしません。暴落した場合、資産と職を同時に失う危険性があります。むしろ配管工など肉体的な仕事を選んだほうがいいかもしれません。最悪の状況がくることを考えておくのです。

一時的に富を築いた人の資産がゼロになったり、借金を抱える状況に陥るのもみてきました。でも、やりなおせばいいのです。必ず前進する道はある。人生は続いていくし、いま想像するよりもずっといい未来が待っている。私を信じてください。努力と決意と運によって、想像していなかったバラ色の人生を歩んでいる人たちもいるのです。

今回のニュースレターの中で、私は価格の話題について触れていないことにお気づきでしょうか。というのも、私にも予想がつかないからです。
私のいまの戦略は、基本的にすべてを保有しておくことです。なぜなら、現時点で、私は何も売る必要がありません。ETHや保有しているNFT、投資しているプロジェクトに自信を持っています。ただ、これはイーサリアムが将来、現在の価値よりも高くなるという信念が前提となっています。イーサリアムが他の資産より優れていると信じています。

ETH/BTC以外で私が最も確信を持っているのは、Generative Art NFTs (例えば Art Blocks, FxHash), 1/1 Art, Membership/Utility NFTs (例えば PROOF/PREMINT)、特定のPFPプロジェクト (Yuga, Doodles, Moonbirds),
しっかりとビジネスとして運営されているプロジェクトです。

2018年、私はクリプトに興味をなくしました。
2021年、私は戻ってきて過ぎた時間に大きな後悔をしました。
2022年、私はここを離れることはないでしょう。
2023年も、2024年も、2025年も、私はここにいるつもりです。

あなたがどうするかはあなた次第ですが、数年後に戻ってきたときに「ここから出ていかなければよかった」と後悔しないようにしてほしい。
少なくとも、このワイルドでイカれた世界から、完全に目を離さないでおくことをお勧めします。
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以上となります。

影響力があるNFTインフルエンサーは多数いますが、私はzenecaの考え方がとても好きです。投機的な部分を否定する方も多いですが、お金の話はムーブメントと切り離して語ることはできないと思います。
その上で、仮想通貨の仕組みやNFTのユースケースを考えたこと、コミュニティができたこと、クリエイターさんと少しの繋がりでもできたこと。これは私たち多くの一般人にとって、以前の仮想通貨バブルとは異なる経験だと思っています。

改めて、以下原文です。
Letter from Zeneca_33 / episode27: Red Candles
メルマガを登録したりフォローするとzenecaも喜ぶかと思います。
twitter :@Zeneca_33

以前書いた、zeneca氏関連の記事です

書いた人:miin l NFT情報コレクター
https://twitter.com/NftPinuts


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