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新しい景色でみた新しい景色

ニューヨークでの生活が始まって2か月が経つ。
”新しい景色”の下、”新しい景色”を見た。
 
海外旅行もあまり行かない、英語への苦手意識が強かった私だが海外勤務を希望していた夫に帯同し今年10月よりニューヨークにやってきた。
 
結婚して1年間、渡米前は夜が遅い夫と朝が早い私の生活はあまり交わることがなく、お互い自由に生活をしていた。土曜日の夜ごはんだけが2人でゆっくり過ごせる時間だった。
そんな貴重な土曜日も、”カタールW杯アジア予選リーグ”を見る時間が増えていった。
平日忙しくて試合の見れない夫が録画をしており、土曜日の夜に見るのだ。
 
元々、とんでもない努力家でサッカーを高校まで本格的にしていた夫にとって、W杯に行けるかどうかがどれだけ大切なことかわかっている。
「どうして私の話を聞いてくれないの?」と反発するより日本代表について調べた方が早いと感じた私は推し選手を見つけるところからスタートする。得意のインスタグラム・ツイッターを見ながら情報を集める。
と物分かりのよい妻である書き方をしてみたが、元々私はサッカー選手のユニフォーム姿、雰囲気、負けん気の強そうなインタビュー、緩くアップをしている風景などが大好きだった。
 
サッカー一筋だった夫から聞く解説もまた楽しく観戦できる理由となった。実はファールは頭脳戦であること、「サッカー選手のスタイルがかっこいい」などと変態チックな発言をしている私にサッカーは相手にぶつかっていく強さ(しかも体格の良い欧米人に)が必要であることを教えてくれたのも夫だった。
知れば知るほど深いスポーツだった。
 
こうして下心見え見えの私にも”推しメン”ができ、カタールW杯が始まる頃にはすっかりサッカー日本代表の虜になってしまった。
 
迎えた2022年11月。
4大スポーツ+1(サッカー)と言われるアメリカでもパブなどでパブリックビューイングを開催している。行ってみたかったが時差の関係があり、リアルタイムで日本の試合は仕事や語学学校で見ることができそうにない。
でもあのハラハラ・ドキドキは共有したい。
 
そこで私たちはドイツ戦が始まる時間から、全ての情報をシャットアウトすることにした。
速報で入ってくるlineニュースもいったんブロック、インスタグラムは絶対に開かない、お互い購読している日本のニュースマガジンもいったん削除した。
「ドイツ対日本戦始まったよ~」という母からのlineには「絶対試合結果言わないでね!」とだけ返信した。
こちらに友人は1人しかいないし、私はこのままシャットダウンできるだろう。
夫もなんとか耐えたようだ。
 
ドイツ戦・コスタリカ戦・スペイン戦全てみんなが味わうあのドキドキ・ハラハラを味わうことができた。
すでに結果が出ているとはいえ、知らない私たちの気持ちは時折映るサポーターと同じだ。
 
試合の展開も全く知らない私たちは、ボールが線を出たか出ていないかの判定を待つ時間も祈るような気持ちでみることができた。
 
残り30分。
夫が「まだ30分あるぞ!気を引き締めるぞ!」と大興奮している。
アディショナルタイムが7分と知り、早く終わることを祈る。
 
勝利が決まった瞬間、ハイタッチをして喜びを分かち合った。
 
我慢していたインスタグラムを開くと、友人たちも芸能人も盛り上がっていた。
 
間違いなく世界中の日本人を1つにしてくれた瞬間(じかん)。
どこにいても、日本という国が大好きなんだと実感した瞬間。

最高にかっこいい姿を見せてくれた日本代表。
アメリカという”新しい景色”の下、見せてもらった”新しい景色”。
(もちろん勝利を信じているが)次の試合がどんな結果であろうと、夫とみた”新しい景色”を忘れないようにしたい。
 
そして今、夫や日本代表に見せてもらっている”新しい景色”
次は自分で探していきたい。

#新しい景色を2022


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