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⑨俺に奢らせる気?

最初のデートで怒鳴られたことは書いたけど、
それから1ヶ月以内に次のデートが実施された。

彼が指定した飲食店で待ち合わせた。

彼はとても機嫌が良く、終始テンションが高く楽しそうに見えた。
沢山話をして、彼とより仲良くなれたと感じた。

極めつけは、私がお手洗いへ行っている間に、会計を済ませてくれていたことだ。
そろそろ・・・という所で、ちょっとお手洗いに行くから待ってて、と言って私は席を立った。

で、席に戻ると、「では、出ましょうか」と彼が立ち上がり、そのままレジをスルーして、颯爽と店を出た。
えっ!?ひょっとして支払いを済ませてくれたの!?と驚きつつ、彼を追いかけた。

相手がただの知り合いだったら、「すみません、いくらでしたか?自分の分払います!」と私も言うはずだけど、
その日の彼の様子から、
やっと自分のことを好きになってくれたのかも!!
と感じていた超絶おめでたい私は、
お手洗いに行っている間に支払いを済ませておいてくれるなんて・・・!!奢ってくれたってことだよね!?ってことは・・・ひょっとしてこれは彼女として認めてくれたって事だよね!!
と完全に舞い上がった。

ここで、「いくらでしたか?払います」と言った方がいいのかと一瞬考えたけど、
ここでお金の話をするのは、彼がせっかく女性が席を立っている間に「スマートに」会計を済ませておいてくれたことに水を差すことにならないか?と頭をよぎり、

「ありがとう、ご馳走様でした!」と
超笑顔で彼に言った。

彼はスタスタと駅に向かって歩きながら、
冷たい目でチラッと私を見て、
「俺に奢らせる気?」
と言った。

彼がスマートに見せたいのは、お店の人に対してだけだった。


今回はこの辺で。
それでは。

#元カレ #恋愛 #エッセイ #過去日記 #冷たい彼氏 #変な彼氏

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