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『不快のデザイン展』でときめいた日

東京丸の内で『不快のデザイン展』が開催されている。
このデザイン展について教えてもらった時は、
不快を…見に行く…?と少し警戒してしまった。

ただ、この『不快』は人を危険から守りやすくしたり、事故を防いだりするためのもの。
適度な不快さにより人間に本能的な行動を促す。
人のために一生懸命、ほど良い不快さをデザインしていた人たちがいるのか!と心動かされて行ってきた。

展示物は写真可になっています
皆さんの苦手な、あの不協和音もデザインのひとつ
苦味で子どもに危険を知らせるデザイン


不快さが人を拒絶させるものではなくて、なんか嫌だなと思わせる絶妙なラインだったり、行動を促すものであること。たとえば緊急地震速報のデザインで言えば2つめの和音を半音あげることで、人に無意識的に次の行動を促す反応を刺激している、というような。

展示室の規模的には小規模であるものの、身近なものに秘められた不快さに知らずに守られてきていた事を知り、「すごいすごい」と驚きの連続だった。

個人的には、緊急地震速報のデザインに一番感動した。
何度聞いても危険が迫っていることと、冷静に行動しないといけない気持ちがどこかから湧いてくる。
永遠に好きになれないけど人を守るための音。
それをデザインした人が本当にすごい。と思った。

話は脱線してしまうけれど、私は子どもの頃10年くらいピアノを習ったことがあり、綺麗なメロディばかり弾いていることに少し飽きてきたので気持ち悪いと感じる和音ってなんだろうと試したことがあった。
長調だけの和音や、短調だけの和音は綺麗な音。
長調と短調の組み合わせはむず痒い。
ふむふむ。。とかしていた変わった小学生だった。
当然、家族からやめなさいと言われてそれきりになってしまった。実際、広くない家で心地よくない和音を響かせて、迷惑極まりなかったことと思う。。

今『不快のデザイン展』を通してその答えと、人のために人から少し嫌がられる事をあえて探すという、知らなかった考え方を教わって、感動ひとしおだった。
でもそれは世に出るまで人には理解され難い、大変なお仕事だっただろうなと想像してしまう。

不快もデザイン。
何度触れても、うわぁ…嫌だと感じるけれど、実は人を想う優しさも込められていることを知った。
ありがたく感じる気持ちも心の隅に持ちたい。
心がゾワゾワすることはきっと変わらないけれど。


ありがとうございました。

『不快のデザイン展』は東京・丸の内のGOOD DESIGN Marunouchiにて4/23(日)まで開催中です。
入場料は無料です。

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