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私が「HAPPY BIRTHDAY」のバングルを毎日つけている理由


あれは3年半前の私の誕生日のことだ。
家でささやかなバースデーパーティーを家族に開いてもらった。

旦那と息子たちに小さな小包をもらい、ワクワクしながら中を開けてみると真鍮のきれいなバングルが入っていた。

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バングルには「HAPPY BIRTHDAY MAMA」というメッセージか刻印されている。
旦那から、「子どもたちが1つずつ、自分で刻印したんだよ」と言われてびっくりした。
いつのまに!

どうやら誕生日の日の1ヶ月前、私が親子イベントに出展者として参加してた時に3人で内緒で作りにいっていたようだ。

サプライズがまったくと言っていいほど出来なかった、夫の粋な計らいにとても嬉しくなった。

バングルを作った場所は、吉祥寺の住宅街の一角にある「HIRO WORKS SHOP」という小さなお店だ。

以前、井の頭公園を家族で散歩していた時に路面店を出していて気になっていたところだった。
お店は予約制で、オリジナルのアクセサリーやレザー製品を作れるという。
夫はそのことを調べて、子ども達を連れて行ったらしい。


バングルは、「いつ私の腕を計測したんだ?」と思うくらいぴったりだった。

夫は、子供たちがバングルに刻印をしている様子を見せてくれた。

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一生懸命に子供たちとヒロさんが顔を寄せてバングルを作り上げている写真は、とてもいいものだった。サプライズは嬉しかったけど、私もその光景を実際に見てみたかったなと思った。

店主のヒロさんが、子供たちのペースに合わせて作ってくれたらしい。
夫は、バングルのベースの凸凹した部分を叩いて仕上げてくれたようだ。

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少しいびつな文字が並んでいるのさえ、私を思って作ってくれたのかと思うと愛しい。

それから私は、このバングルが大好きでいつも身につけている。

最初、「HAPPY BIRTHDAY」というメッセージをずっとつけているのは変かな?と思いながらも、その時の気持ちを思い出せるし!とバングルを付けていた。

あれから、3年。ここ最近は、違う感情でバングルを付けている。

以前、 「HAPPY BIRTHDAY」は日本では「お誕生日おめでとう」いう意味だが、本当にそういう意味だけだろうかと調べたことがある。

「HAPPY BIRTHDAY」は「I with you a  happy birthday」の略だ。
意味は「私はあなたの幸せな誕生日を願っています」。

この意味が、私にはとてもしっくりきた。

当時、一生懸命このメッセージを刻印してくれた小さい子どもたちが大きくなれば、親ではない大切な人と過ごす。

家族でいつか丸いケーキを一緒に囲んで、ささやかなお祝いが出来なくても、私は彼らが毎年幸せな誕生日を迎えられていることをずっと願い続けるのだろう。


そして「MAMA」と呼ばれている今が、本当に尊い時間なんだと痛感する。

最近は、コロナ渦でどこにもいけない、我慢しなきゃいけないことに目が行きがちだ。

けれど、夕ご飯を作っている時に「ママ。あのねー」「ママ、お腹すいた!」と言ってくれる日常があと何年続くのかなと思うと、すこし切なくて胸がいっぱいになる。


「HAPPY BIRTHDAY MAMA」のバングルは、子どもたちと過ごせる日常の大切さと、当時の誕生日を思い出させてくれる私の大事なアイテムだ。


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