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tulip

チューリップが好き。春の定番でありながらこれでもかと深く愛しい奴ら。桜や木蓮と同じくらいに春の訪れを感じさせてくれるけれど、実は眺めれば眺めるほど、とことん深いとこに人間の思考を持っていく。終いには人間みたいやないかと思い始めた私。母さんからはいちいち考えすぎとな。花は花、人は人とな。ちょいとの比喩みたいなもんやんかと言いながら私は真剣に思っておって、兎に角全てが好き。いちいち考えてまうから仕方ない。頭の中で描かれてどんどん派生していくあの感覚。ハートブレイカーやフラッシュバックやアイスクリームやモンテカルロ、ネーミングのビハインドがお見通しのシンプルさとアバウトさながらも抜群のインパクトを放つ秀逸な品種名。星と同じ数あるんちゃう?な品種の数。あのフォルムっていう基本のスタンスのうえでどんどん変化する。同じ品種でも模様や色の出方や重なり方や花弁の枚数や葉の形が絶妙に違ったり、たまに居る大胆に個性を発揮してる10輪の中の1輪とか。余計に惹かれる、1枚だけ別の色を纏って咲いてる花弁。黄色の中の1枚の赤とか。上から見るとよくわかる。チューリップは必ず上からじっくりと眺める。どの角度から見るよりも格別で魅力を溢れさせてる気がする。美をたんと堪能あれって。これが私よ、どうよこの色と模様と形って。言葉は無く、音も無いが伝わってくる。個々が主張激しいのにみんながお互いを尊重してる感じ、私らみたいや、人間だって常に誰もがこうでありゃあいいのにと。町の婦人会の花壇に咲いてたり、畑周りに点々と咲いてたり、誰かの家のプランターや庭にちらほら見かける。慣れ親しみすぎて春になれば当たり前の存在でスルーしてしまいがち。よく見てみて。ここまでは流石に考え詰めすぎやと自覚ありやからあれやけど、割とね、深いのよ。割と。チューリップだけじゃなくて他の花や植物も。だから、好きなのよ、自然、それの中のチューリップ。

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