#6
そういや、私も今日は朝ご飯を食べずに学校に駆けて来た。
ラッキー。
ハンバーガーを一緒に食べよう。
何がラッキーなのか分からないのだが、直感的に見知らぬAと同じ境遇にある私の間には壁がないように見えた。
Aもどうやら私と話したいらしい。
気付けば、教室には誰もいない。
何時だろう…と思い、腕時計を見ると数字盤が綺麗さっぱりに消えている。
少し寂しそうな秒針だけが、私の世界を思い出させてくれる頼りになっている。
郷に入ったら郷に従え、と自分に言い聞かせているが空腹には勝つことが出来ない。
「おススメの店知ってる?」
Aはグルメらしく、目を光らせて言った。やっぱり、かの有名なファストフード店を答える。
「俺、敢えてチーズのないチーズバーガー食べてみたい」
はたまた、ハンバーガーの主役は誰なんだろうと考えさせられる。
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