気まぐれな起承転結(小説)
#5
「細い棒が、あまりにもストローに似ていたから羨ましかったんだ。」
私が何を言おうか考えていた時に限って、
Aは口を開いて、訳も分からないことを言い出す。
「あるじゃん。宿題が終わって安心しているのに、どこか終わってないような…まだ勉強しないといけないような感覚になるとき。」
私は精一杯の頭の回転力を使って、今置かれている状況を整理する。
私があまりにも授業に集中しないので、役目を果たしたと感じた筆箱の筆記用具たちは床に吸い込まれていった。
その中でも、あのファストフード店のトレードマークが書かれた鉛筆だけがAの心にとまっていた。
「君の筆箱のような茶色があともう一つあれば、ハンバーガーセット作ることくらい出来るのにな。」
いやいや、どれだけ食欲あるんだよと内心突っ込む。
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