和田卓人(t_wada)さんの勉強会から始まった読書会:社内での学びと交流を深める場に
こんにちは!ミイダステックオフィスです。
2月終わりに開催していただいた t_wadaさんの勉強会。
こちらの勉強会内で紹介された書籍やt_wadaさんから「読書会をやってみるといいよ」と言っていただいたことをきっかけに、社内で読書会をスタートしました。今回は読書会の企画から社内で成果をアウトプットするまでの流れを紹介したいと思います。
始まりは3月初旬。「勉強会で紹介された本を読んで業務にどう活かせるかを考えよう」という発想から読書会を計画し、以下スケジュールで実施をしました。
読書会企画: 2024/02/28 ~ 2024/03/04
読書会実施: 2024/03/15 ~ 2024/04/12
アウトプット企画: 2024/04/22 ~ 2024/05/04
アウトプット実施: 2024/07/12
初回で選ばれた書籍は、t_wadaさんに紹介いただいた本のリストの中から希望者の多かった一冊。「単体テストの考え方/使い方」です。
勉強会の中で紹介された本をみんなで読んで、自分の担当章を発表し、ディスカッションするという形式で実施するという大枠を読書会企画で決め進行しました。最終的には参加者が読んだ内容をベースに議論を展開し、最後には業務への具体的な応用方法まで深掘りする形に落ち着きました。
読書会の進化と試行錯誤
読書会の進め方は、最初から完璧だったわけではありません。最初は簡単なMiroのテンプレートを使って議論していましたが、回を重ねるごとに方法が洗練されていきました。回数を重ねるごとに、付箋を使って感想や疑問を色分けし、議論がスムーズに進むように工夫してきました。
また、議論の質も回を追うごとに深まりました。最初は各自が担当章を発表するというシンプルな形でしたが、議論が進む中で業務にどう活かせるかという視点が加わり、より実践的な内容に発展していったのです。参加者の1人は「業務にどう結びつけるかという視点でディスカッションを進めることで、内容が深く掘り下げられた」と話していました。
人に伝える難しさと学びの深化
読書会の初回発表者は「大学以来、誰かに本をまとめて発表することは久しくなかったので、初めは緊張しましたね」とのこと。発表に備えて何度も本を読み直し、自分の担当章をいかに簡潔に、正確に伝えるかを工夫することで、普段の読書とは違った深い学びを得たそうです。
「人に説明する前提でインプットすることは、理解を深めるのにとても効果的だと感じました。他のメンバーに間違った情報を伝えないように、慎重に確認しながら進めることで、担当章についてはかなり詳しく理解できたと思います。」といった声もありました。普段の読書では気づかないような細かい部分にも目を向けるようになったことが、大きな収穫だったようです。
異なる視点がもたらす新たな発見
また別の参加者は、読書会を通じて得た新しい視点について、「普段はあまり関わらないフロントエンドのエンジニアや、速度改善に取り組んでいるメンバーと話す機会があり、異なる部署の視点を知ることができました」と話しています。普段の業務ではなかなか接することのないメンバーと、読書会を通じて知識や意見を交換できたことが有意義な経験となりました。
また、社内で行う読書会だからこそ、共通認識がある状態で議論ができるというメリットもあったようです。外部の勉強会などで本を読んで議論する場合、バックグラウンドが異なるため共通の理解を持つのが難しいこともありますが、同じ会社内で同じ業務に関わるメンバー同士が議論することで、スムーズに進む部分が多かったようです。
時間とプレッシャーの課題
一方で、読書会にはいくつかの課題も浮かび上がりました。一つは発表の準備を業務時間外で行う必要があり、時間の確保が難しいことです。特に家庭を持つメンバーにとっては、仕事と家事・育児の両立の中で発表の準備を進めるのは容易ではありませんでした。
「発表する日は特にプレッシャーが大きく、みんなが本を読んでいる前提で発表するので、間違ったことは言えないというプレッシャーがあった」という声もありました。さらに、担当ではない章でも本を読んでおく必要があるため、参加者全員に一定の準備が求められる点も、負担に感じるメンバーがいたようです。
アウトプットの形が事前に決まっていないと、発表する内容に迷ってしまうこともあったようで、思ったよりも時間がかかってしまい、簡潔に伝える難しさを感じているメンバーもいました。
読書会がもたらした成果
読書会は単なる学びの場にとどまらず、実際の業務にも良い影響を与えました。テストに関する議論が深まり、チーム全体での共通認識が持てるようになったことが大きな成果の一つです。実際に、テストについての共通認識が持てたことで、テストを導入する際のコストが大幅に削減できました。
また、t_wadaさんの勉強会をきっかけに、テストに対する意識が読書会参加者以外の社内全体でも高まり、システムの改善にもつながりました。このように、読書会がただの勉強会ではなく、実際の業務にも直結する学びの場として機能できたと思っています。
課題と今後の展望
読書会には多くの成果があった一方で、改善点も見つかりました。アウトプットの形を事前に決めておくなどで参加者の負担を少しでも軽減することや、聞くだけの参加もOKにして参加のハードルを下げる工夫などがあれば、もっと多くのメンバーが気軽に参加できるようになると思います。
さらに、次回以降は業務に直結するテーマの本を選ぶことで、より実践的な議論ができるようにすることも検討されています。参加メンバーの負担を軽減しつつ、より多くの学びを得られる場にするための改善を進めていきます。
終わりに
t_wadaさんの勉強会から始まったこの読書会は、社内の知識共有やスキルアップに大きく貢献しています。業務への実践的な応用が進み、異なる部署との交流が新たな発見をもたらす場として、今後も積極的に実施をしていきたいと思います。「読書を通じて業務に活かせる知識を得られたことが、何よりも良かった」と、参加者たちは話してくれていました。次回の読書会はさらに多くの学びと交流を生む場になるように準備をしていきます。