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コロナ病棟になる

2020年4月、新型コロナの第一波到来で緊急事態宣言が出され、世間が自粛生活に突入している中で、知事より県内のコロナ病床を倍に増加するという方針が出された。

私の勤める病院は県内で一番大きな病院であり、当然のようにコロナ病床を増やすようお達しがきた。4月末、突然師長さんから「うちの病棟がコロナ病棟に変更になります。」と告げられた。割と何の前情報もなかったので、スタッフみんなで驚いてしまった。もちろん、嫌な人は他の病棟に異動もできると言われたが、うちの病棟は、急性期病院にしてはスタッフは殺伐としておらず仲が良かったためか、みんな残った。


そこからは、入院患者さんを他病棟に移動してもらい、コロナ患者さんを受け入れるための準備でとても忙しかった。PPE(個人防護具)の着脱の仕方、清潔・不潔の区別、入退院の方法など話し合いやシミュレーションを何度も実施した。未知の感染症に対応するということでスタッフは不安を強く感じており、ピリついていた。そのためか、激しい口論になることもあり、定時を過ぎてもカンファレンスをしていることが多かった。実際に患者に接していないため、机上の空論で話すため昨日決めた内容が今日には180度変更になることも多く、私的にはとても精神的にきつかった。


いざコロナ病棟がオープンすると、ピークは過ぎていたため、満床まで入院することはなかった。そのため、他病棟に只管応援に行かされ毎日胃が痛かった(泣)
あと、このころは物資が本当に不足しており、ガウンは100均のレインコートで代用していたし、N95マスクは1週間同じものを使用していたし、感染しないか不安も大きかった。

そして、幸いにも爆発的に患者数が増えることなく5月末でうちの病棟はもとの病棟に戻った。6月から11月までは一般病棟に戻りいつも通りの看護ができる幸せを噛みしめていた(笑)


忙しくも本来の看護ができ、楽しく仕事をしていたが、第二波到来し、徐々に再度私の病棟をコロナ病棟にするという話がでてき始め、11月下旬に再度師長さんよりコロナ病棟になると告げられた。12月初めにオープンするため、またもや準備と患者さんの転棟に追われる日々が来た。正直、5月の時にどうやってコロナ対応していたか忘れていることも多く、不安でいっぱいだった。


しかし、前回とは違い、十分な話し合いやシミュレーションを行えないほどコロナ患者さんの入院があり、不安を感じる暇もないほど業務に追われた。たぶん習うより慣れろ状態(笑)


緊急で入院する患者さんが多くて、忙しすぎてフェイスシールドの中で泣いたり、N95マスクの中が鼻水だらけになったり、ガウンの中がサウナ状態になったり、、、。この話はまた追って書こうと思う!


うちの病棟がコロナ病棟になるまでの経過はこんな感じ。たぶん私自身は一生忘れないと思うけど記録のために、、、。