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ケアってなんだろう。日本プライマリ・ケア連合学会に参加して。


こんにちは。理学療法士で現在はフリーライターとして活動しているみっこです。私は、「リハノワ」という、リハビリ当事者の方に励みを届けたいと運営している取材メディアにてライターとSNSの広報担当をしています。

先日、リハノワの運営代表のかわむーさんと、日本プライマリ・ケア連合学会にてブース出展し、ご来場のみなさんにリハノワの世界観や活動内容をご説明しました。

そのなかでも、最近メディアで配信した、がん治療や重症患者さんについて取り上げた記事の内容について説明したとき、印象的なご意見をいただきました。

モチベーションがあがることだけが、必ずしも治療ではないですものね。

リハノワでは、「ひとりの元気を、みんなの元気にー。」をスローガンに、退院後もリハビリや治療のモチベーションを維持できるようにと、当事者の方の経験談やケアに関わるさまざまな専門家の声を発信しています。

必ずしもその情報が読者にとってモチベーションにつながるとは限らないと分かりつつ、それでも「知る」ということは、人を動かし、自分はどう在りたいのか考えるきっかけになると信じているのです。(このように、みっこは解釈しておりますよ、代表…)

私は、新卒で維持期の病院で働いていました。ご本人が納得(認識)しているか否かに関わらず、退行は進んでいきますし、急変して、最期の声を伝える間も無く、お亡くなりになる方もいらっしゃいました。学会でご意見をいただいたように、モチベーションをあげることだけが治療、リハではないでしょう。

しかし、何かをきっかけにその1日を穏やかに過ごせたり、笑顔の時間が増えたりすることもあります。さらには想定していたよりも長く家族や大切な人と過ごせた方や、ご自身がやりたいことを最期まで実行できた方、周りの人にたくさん笑いや感謝を届けてくれ、場を和ませてくださった方。

その転換点となる「何か」をあげだしたらキリがありませんが、医療にとどまらないケアの選択肢が必要なのです。

私は本学会に参加して、「ケア」とは属人的なものではなく、さまざまな要素が加わり多様な変化に富むものではないかと思いました。

リハノワが出展した「医療とアートの学校」のブースでは、アートに達観された方やまちづくりや建築分野に精通している方、パフォーマーとして参加されている方や、学生のうちにしかできない経験を積みたいという方もいらっしゃいました。

そんなさまざまな方が行き交う空間で、ケアする人とされる人にギャップなどなく、お互いにその可能性を持ち合わせているのだと感じさせられました。

そして、医療や福祉はさらに開かれた場となり、人と人、人と場、人と物、人と仕事、人とサービス、人と概念・・・人にとっての必要がどこにあるのか、探っていく面白さがあります。

余談ですが、私自身は、取材を通して人の思いを聞くことでケアを受けているのだと思っています。自分の心を閉じ込めがちな私は、取材で共感したり、その事柄を思考して感情を表に出すきっかけを頂いているようです。(取材に関わらず、対話全般的に言えるのですが)

もちろん記事には、インタビューした方のストーリーを書いていますし、読者が何を知りたいのか考えて構成を練っています。しかし、その余白には書き手である私の感情が潜んでおり、自分自身を表現する場があることが私を人たらしめているのだと考えています。

さて、ケアとはなんなのか。自身にとっての「必要」について、度々考えを巡らせたいものですね。




今回紹介したメディア・リハノワはこちらです。熱量の高いお話しがたくさん載っています。雑な紹介で申し訳ないですが、百聞は一見に如かず。その面白さはリンクを飛べば分かるはず…。

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