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내일에서 기다릴게 (I’ll See You There Tomorrow) の 내일 っていつ? ~ ACT : PROMISE の個人的思い出、あるいはミドルエイジがTXTの曲にハマる理由についての一考察 ~

2024年9月15日、日曜日、TOMORROW X TOGETHERのワールドツアー ACT : PROMISE のイルコン全8公演が終わりました。わたしは8月の愛知公演を見に行くことができました。本当に楽しかったので感想を書きたいなとずーっと思ってたんですけど、興奮しすぎて記憶あんま残ってなくて、何を書けばいいのかわかんないままここまで過ぎましたw

ということで、日本公演フィニッシュ記念にかこつけて、今さらですが感想を残してみたいと思いました。いろんな角度から振り返ることができると思いますが、ここでは、タイトルの通り、내일에서 기다릴게の내일とはいつなのかというテーマに沿って書くことでライブの感想を兼ねたいと思います。


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公式歌詞入りの動画。

まず、내일에서ってどうゆうこと?

そもそも、내일って tomorrow と同じように副詞として使えるはずだから助詞はいらないよなあって思います。実際、歌詞の中では "내일 또 만나" 말해주던 아이「『明日また会おう』って言ってくれた子」というフレーズで내일は副詞として使用されています。それに、ふつう、에서って場所につく助詞だったと思います。時につく場合は세 시에서 다섯 시까지「3時から5時まで」みたいにレンジを示す使い方になると教わりました。내일에서はそのどっちにも当てはまっていません。

もしかしたら口語表現でそういうのあるんかな? と思ったので、一応"내일에서" -txt -tomorrow でグーグルで検索してみましたが、ほとんどヒットしませんでした。

わざわざふつうは使わない에서を付けてきたってことは、내일はただの내일ではなくクォーテーション付きの"내일"なんだろうなあと思います。

そこで、どんな"내일"の解釈が考えられるのか可能性を挙げていき、わたしが実際にTXTのライブを見たときに感じた"내일"についても書いていこうと思います。

解釈1. "내일"はきょうの次の日

ひとつめの解釈は、ずばり、ごくふつうの「明日」「翌日」の意味です。

明日という日に約束があるのは本当に良いことです!! 約束というほど大げさなことでなくて、予定、用事くらいでもいいんですけど、何かがあるってことは大事だと思います。特に、1年後のことや半年後のことなんか想像もできない、1カ月先のことだって考えたくねえ…ってなることもありますけど、そういうときこそ、じゃあ明日だけやってみよう、明日できたらまたその明日だけ…っていう気持ちでがんばれることがあると思います。

そんな気持ちを改めて感じさせてくれる曲だと思います。

あと、コンサートで2 days以上をする場合には、この解釈がリアルに当てはまりますね。わたしは未経験ですが、複数日参加のMOAちゃんを見ていつもいいな~って思ってました。わたしもいつかやってみたいです!!

解釈2. "내일"は未来の不確定などれかの日

내일も、明日も、tomorrowも、1の「翌日」の意味だけでなく、「未来」「将来」っていう意味でも使われるので、そういうニュアンスでの解釈もできると思います。そして、「不確定な」って入れたのは、星の王子さまが自分の星に帰る前にそんな感じのことを言ったからです。たしか、自分は空に見えるたくさんの星のうちの一つに住んで、その星で笑ってるから、それを知ってる君は全部の星が笑っているように見える…みたいな内容でした。これと同じように考えると、"내일"がどの日かわからないからこそ、これからやってくるどの日も"내일"かもしれなくて、どの日にも「きみ」に会える可能性があって、ぜんぶの日が好きになれるなあって思います。星の王子さま風に言えば「ぜんぶの"내일"と友達になれる」んだと思います。

解釈3. "내일"は主体的に目指していく場所

前述のように、에서は場所を示すのに使う助詞です。ふつうはその場所から移動するとか、その場所で何かしらの行動が行われるとかです。そう考えると、やっぱり、この場でただじっと待っていれば自動的にやってくる通常の내일とは違う雰囲気を感じます。

思い返せば、TXTの曲の中には「ずっと変わらない」「変われない」みたいな雰囲気の曲がいくつかありました。直近では、Sugar Rush Rideが、ネバーランドに見立てた孤島の楽園でいつまでも享楽的に過ごそうと誘惑してくる曲でした。

それはそれで一つの守られた世界として価値あるものなのですが、FREEFALLアルバム以降、そことはまた違った世界を目指してみようという流れになったと思います。そして、その自ら一歩踏み出した先の場所が"내일"なのかなって思います。その"내일"へ行くには、自分の町とネバーランドとの間にある海を越えるように、壁を越えなくちゃいけないかもしれないけど、それを越えた先で待っていてくれる人がいたら進むことができると思います。

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ここまでの내일はどれも「現時点よりも先の未来のいつか」でした。ここから挙げる내일は未来ではないものになります。

解釈4. "내일"は「いま」

ここからいきなり時空が捻じ曲がるのですが、내일에서 기다릴게の"내일"は「いまこの瞬間」っていう捉え方もできると思います。というか、わたしがライブ会場で実際に感じたのがこれでした。

8月の愛知公演はわたしにとって初めてのTXTライブでしたが、人生では2回目のアーティストライブでした。1回目は今から遡ることウン十年前の、わたしがまだティーンエイジャーだったときのことです。あのころ、わたしは、若く、無知で、純粋でした。そんな時代を代表する美しい思い出の一つがそのライブです。奇しくも同様にドーム会場だったため(名古屋ではなく東京ドームでしたが)、ドームに入った瞬間、一気に30年前(あ、言っちゃった)に連れ戻されたような気がしました。

ライブが始まってからは、コールに、モアボン振りに、黄色い歓声に、拍手にと忙しく大興奮してましたが、ふと、なんか急に「わたしはあのころの"내일"にたどり着いたんだな」って思いました。

「あのころ」のわたしはまだ10代の子どもでしたから、自分が将来どうなってるかなんてまったくわからなかったし、真剣に考えてもいなかったです。その後、社会人になり、いろいろあって、一言でいえば挫折しました。あのころの自分に言ってあげたいです。相変わらず楽なことばかりではないけど、もう一度生歌を聞いてみたいと思えるような憧れのアーティストが現れて、一念発起して重い体を引きずってドームライブに行く"내일"にあなたは辿り着けますよと。そして、その"내일"にはあなたの娘が待っててくれてますよと。

내일에서 기다릴게を聞くと、よくここ(="내일")までがんばったねと言ってもらえているような気がして、ほんとうに元気が出ます。そして、もちろんいまこの瞬間に対する"내일"もまたこの先にはあって、そこに向かってもうひとがんばりしなくちゃという気持ちにもなります。

내일에서 기다릴게は正真正銘2024年にリリースされたピッカピカの曲だから、時系列は完全におかしいです。でも、こちらのWeverseマガジンを読んだらしっくりきました。내일에서 기다릴게はアルバムの最初のトラックですが、「アルバムを通しで聴いた後、再びこの曲に戻って聴くことをお勧めする」と書かれています。これがこの解釈のヒントになるような気がしました。

これって、映画でいえば、スタンドバイミー方式だと思います。ほかに思いつくのは「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」、朝ドラの「マッサン」などです。「あのときの"내일"」が「いま」という構成です。내일에서 기다릴게が入っているminisode 3: TOMORROWというアルバムもそういう視点で鑑賞できると思います。

スタンドバイミーの冒頭「いま」で、主人公ゴーディは結婚してお父さんになっています。そこから、深い悲しみの中にいた10代のころのことが回想として描かれます。そして、映画の最後で再び「いま」に戻ったとき、傷との付き合い方をに身に着けることができたんだろうなということが感じられます。いま、ごくふつうのおじさんになれたことで、若者特有の痛みから解放されたんだなと。これと There'll be no more sorrow のフレーズはリンクするような気がします。そして、すでに旅立ってしまった親友クリスが、いまでは痛みのない天国に行けたのだろうということも There'll be no more sorrow から想像してしまいます。

解釈5. "내일"は過去のどれかの時点から見た明日

これも時系列がおかしいんですけど、解釈4の仲間みたいな感じで、明日だけど過去です。

わたしは、若いころ、勤務先の研修で特養施設の職場体験を数日したことがありました。そこで出会ったおばあちゃんがずっと同じ話をしてくれたんですけど、それは、ご自身がお嫁にいく直前の話でした。これから結婚する相手とまだ会ったことなくて、そして、そのお相手の名字が変な名前だということをずっと話してました。実際にはそのお相手の方と5~60年は連れ添われたようですし、その名字でご自身も人生の大半を生きてきたはずです。でも、おばあちゃんにとっては、明日結婚する、明日旦那さんになる人と初めて顔を合わせる、明日から自分はその「変な名字」になるというあのときが今でも"내일"なんだなあと思います。

こういうのって、お年寄りだからとか認知症だからってわけじゃなくて、わたしの年齢でもあります。いい思い出の場合もあるし、悪い思い出の場合もあります。もう過ぎたことなんだけど、自分の中では永遠に"내일"のままの瞬間があるのです。

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以上、"내일"の解釈を5パターン挙げて考えてみました。もっとあるような気もするんですけど、文章にできず断念しました。

TOMORROW X TOGETHERはまだまだこれからも新しい曲を出していってくれると思っていますが、たぶん、次のアルバムからは完全な新チャプターに入っていくんだろうと思います。そのせいで、ここ2作のアルバムには静かな悟りみたいなものが漂っていて、聞くとしんみりしてしまいます。そんなときは내일에서 기다릴게 (I’ll See You There Tomorrow)を何度でも聞いて、「"내일"は来る!いつの時代にも、誰にでも"내일"がある!」って思って元気出したいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。













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