見出し画像

出産したら死にたくなったママの話⑧〜入院編

初めての外泊の際は、主人に迎えに来てもらって外泊しました。

帰る途中、薬局に寄ると、薬局で流れている音楽に自分の名前が歌詞の中に入って聞こえてきたり、何故か防犯カメラの映像が何度も変わって自分が映し出されているように見えたりして、まだ私は外に出てはいけないんだ、隠れなければならないんだ、そんな気持ちになりました。

久しぶりの家は、なんだか廊下がとても狭く感じて、自分の家なのに自分の家でなくなったようななんだか不思議な感覚でした。

娘は6ヶ月程で、少しずつ人見知りなのか、やはり自分の母(祖母)や夫の方には行きますが、私が抱っこしてもなんだかぎこちなく泣き止まなかったり。。

早く家に戻らなければ、娘はもっと私のことを母親として認識してくれなくなる、なんとかして家に帰らなければ、ととても焦ったような気持ちになっていたように思います。

自宅ではやはり足がむずむずしてよく眠れたとは言えませんでしたし、不思議な感覚は続いていましたが、なんとか家族との時間を過ごすことができました。


そして、娘を自分の手で育てたい、母親として認識してもらいたい、なんとしてでも退院しなくてはと強く思いました。

まだ妄想などもあり、決して良く変わった訳でもないのですが、そこからは出来る限り普通に振る舞おう、『良い患者』でいようとしていました。

でもなかなか退院にはならず、クリスマスもお正月も家で過ごすことができず、いつも娘の写真を見ては帰りたいと強く思っていました。
声が聞きたくて電話も最初の頃はよくしていましたが、あまり沢山電話をすると病状が悪く思われるのではないかと思い、できるだけ控えていました。

とにかく家に帰りたい、娘と家族と過ごしたい、
その思いで必死でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?