出産して死にたくなったママの話⑥〜入院編
病院に入院してすぐ隔離室に入れられた私。
隔離室は何もない中にトイレとベッドだけがある部屋です。
危険な事をしないよう基本的には何も持ち込めず、窓もなく、ただ出来ることといったら天井を見つめるばかり。。
私はどうやったらここから脱出できるのか、そればかりを考えていました。
まだ妄想の状態でもあったので、
『前の部屋に居る患者さんが出る為の方法を窓越しに教えてくれている』
と思ったり
『看護師さんのナース服のボタンに鍵がある』
と看護師さんの服を引っ張ったり
入院前にしたヨガのようなポーズをしてみたり
周りから見たらとても不可解な行動でしたが、隔離室から出る為に必死でした。
妄想状態で部屋には時計も何もない為
時間がどれだけ経っているかが分かりません。
三食の食事の時間でかろうじて朝や夜の意識はありましたが、正直いつ出れるのだろう、何日経っているのだろうと不安でした。
看護師さんにとってはほんの数分かもしれない。
でも何もない部屋に一人不安な状態で閉じ込められていて、ナースコールもなく、私はトイレの流すボタンがナースコールの代わりなのかなと何度も何度もボタンを押していました。
食事の時間や少し部屋が開かれた時に脱走をしようと試みて、
気がついた時には手首、足首を拘束帯で拘束され、ベッドに縛りつけられていました。
拘束は本当に辛く、
子供を産んだだけで、何故自分はこんな目に合わなければいけないのか、
お乳は出るのに我が子にあげることはできない、
子供に会いたくても会えない、
家族と話したくても声を聞くことすらできない。
いつ終わるのかわからない入院生活はとても不安でした。
患者さんも看護師さんも医師も、基本的には優しいのですが、時に物のように扱う方もいましたし、忙しい中で流れ作業のような時もありました。
騒いでいる患者さんに対して
『また◎◎さん〜!』
と怒った様子や放っておくということは割と普通の事のようでした。
当初3ヶ月の入院の予定でしたが、一向によくなる様子はなく、長期の方の病院へ移ることになりました。
その頃の病名は、『産褥期精神病』から『統合失調症』に変わっていました。
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