みい

FF7の二次創作小説や考え事などを投稿しています。お気軽にお声がけください。

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最近の記事

花束とワンダーランド

ホテルのふかふかのソファに腰をかけ、エアリスは難しい顔をしていた。いつもは綺麗なカーブを描いている眉はきゅっと寄せられ、好奇心に導かれて忙しなく動き回る視線はひたと一点に注がれている。 彼女の目の前には一枚の紙があった。その紙には、やや癖のある字で数行の言葉が書かれ、そして消された跡があった。 結構自信があったのだ。うまくやれると思っていた。なのに── 「歌詞なんか作れるんですかあ?」という先ほどケット・シーにかけられた言葉を思い出し、エアリスは珍しく深いため息をついた。

    • FF7小話1

      神羅カンパニーの本社が置かれる超高層ビル、その49階にあるソルジャー専用のブリーフィングルームの硬い椅子をぎいと揺らして、アンジールは目の前の紙切れから距離を取った。だが、ほんの少し離れたところでその紙に書かれた事実が変わるわけではない。無機質な天板の上で、真っ白な紙に印刷されたごくシンプルな辞令は静かにその存在を主張し続けていた。 どうしたものかとアンジールがその厳つい顔をしかめていると、背後に人の気配がした。ほどなく静かなスライド音と共にブリーフィングルームのドアが開き

      • an old vintage

        1 いびつな男がおりました いびつな小道をあるいたら いびつな木戸のその裏で いびつな小銭を拾ったと いびつなネズミをつかまえた いびつな猫を買って帰り いびつな小さい彼の家 いびつに仲良く暮らしたと 昼下がりのセブンスヘブンのキッチンで、くつくつと音を立てて鍋が煮えている。大鍋いっぱいのミネストローネだ。その他にも仕込みを終えて調理を待つばかりの食材がバットやボウルに並んでいた。ごく小さい声で唄いながらティファは食材を切り、鍋をかき混ぜ、大量の皿を用意している。 「

        • はじめまして

          初めましての方もそうでない方も、ようこそこのページにおいでくださいました。 「みい」というハンドルネームでXおよびpixieで活動していましたが、この度場所をこちらに移すことにいたしました。 今後はnoteにFF7に関する妄想、論考、二次創作小説を投稿していきたいと思います。 よろしくお願いいたします!

        花束とワンダーランド