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岳物語/椎名誠(2022/1)

【要約】
作家である椎名誠の長男である少年の岳(ガク)。喧嘩にはめっぽう強いが勉強は全くできないというガキ大将としてすくすく育つ。ある時釣りの楽しさに目覚めた岳は、どんどんのめり込み、父・椎名誠も目を見張るほど釣りが上達していく。椎名誠が定期的に取材のため長期間旅に出るが、帰ってくる度に成長している息子に戸惑いながらも、昔の自分に重ねて岳の成長を喜ぶ、ハートフルで明るい私小説。

【感想】
椎名誠氏の長男「岳」は、両親が山登り好きであるため名付けられたようで、活動的な両親のもと、すくすく育っていく少年「岳」の様子が日記のようなかたちで書かれています。「岳」は喧嘩が強く、坊主頭のやんちゃ少年ですが、その分勉強が全くできず、クラスでも最下位の成績を常にたたき出すという破天荒っぷりです。ですが、これも「全く勉強はさせず、好きなように遊ばせる」という椎名夫婦の教育論であり、このような教育の仕方も子どもの個々の長所を伸ばす方法だなと思いました。

私は「岳」のようなわんぱくな少年ではなかったですが、父親に釣りや登山、キャンプに連れて行ったもらったことをよく覚えています。改めて自分のルーツとなった本を読むことで、両親に感謝しなければならないと強く感じました。


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