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【読書】伏線回収系小説はお好き?〜『木挽町のあだ討ち』

こんばんは。読書が趣味のmiiです。

先日2023年の芥川賞受賞作『ハンチバック』をなんとなく読み、すごく面白くて、私の2023年第1位となりました。
前に読んだ『むらさきのスカートの女』も面白かったし、やっぱり賞とった本って面白いんやなって、まあまあ当たり前のことを思いついて、
じゃあ、今年の直木賞受賞作も読んでみようと手に取ったのが『木挽き町のあだ討ち』です。

読んだ結果、
めちゃくちゃ面白いやないかーい!
私の「受賞作面白い」という考えをより強固にしてくれました。

今日は、先日のゆる読書会でも紹介した『木挽き町のあだ討ち』を元に考えたことについて書きたいと思います。

すっきり伏線回収系小説はお好きですか?

みなさま、伏線回収系小説はお好きですか?
わたしは、大好物!でした、以前は。
もちろん今も好きですが、大好物から好物になったくらいです。

あれ、これ、どういうこと?あ、こうか、こことここがこう繋がるのか!
え?そうも繋がってくるの?あ、思ってたのとまったく違ったわ~
こんなん全然予測できんかった~

と、伏線を追っていくうちにどんどん読み進め、最後の数十ページで追い立てるように伏線をつないでくる、すっきり伏線回収系小説。
最後はだいたいすっきりして終わって爽快感があるので大好きな部類の本です。

この『木挽町のあだ討ち』はすっきり伏線回収系小説です。
物語は、江戸時代の芝居小屋の前で起こったある若侍のあだ討ちを軸に、
そのあだ討ちを見たり、その若侍に関わりのある人物たちの証言をつなぎ合わせて出来ています。その人物たちのそれぞれにも人生の物語があり、それゆえにこの事件や若侍への証言が多様になっていて、とても面白い。

わたしが読んだイメージは江戸時代版『新参者』といった感じ。
一番初めの証言者が江戸っ子訛りなのでちょっと読みにくいなとはじめは思ったのですが、次々と証言者が変わって事件の全貌が明らかになっていくにしたがって、私の読むスピードも上がっていきました。
とても面白いのでおすすめです。

と、この本はすっきり回収系小説としておすすめなのですが、
実は最近、私は伏線回収系小説は相変わらず好きだけれども、何とも言えない後味の悪い終わり方の本や、淡々として盛りあがりにかけるように見える本もだんだんと読めるようになって、好きになってきました。
きっかけは、ゆる読書会で他の方から紹介してもらった様々な種類の本です。わたしは自分の好きなジャンルから長い間抜け出せていなかったのですが、読書会で他の参加者の方から、終り方がもやっとする本を読んだけどこんなところが面白かったとか、読み終わった後こういうこと考えたというような話を聞いて興味が湧きました。
実際、自分も読んでみて、「もやっとするー、どういうこと?なんで?」という気持ちになり、その「なんで?」の気持ちについて自分で深掘りすること自体も楽しかったし、他の読者の考えを読書会やSNSで見て「なるほどー、こうも考えられるのかー」と新たに読み直してみたりと、もやっと系小説はもやっと系小説の楽しみ方があることを知りました。

話がそれましたが。
今回私が好きなすっきり伏線回収系小説を読むことで、逆にもやっと系小説のことが頭に浮かんだため、つらつら書いてしまいました。

みなさまはどちらが、よりお好きでしょうか?
また、よければ読書会に話に来てくださいね。
それでは。


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