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【My Story#15】本当の自由はとても不自由

思春期の頃から、親の敷いたレールの上に乗る人生なんてありえない。私は私の人生を自由に生きるんだと思っていました。

会社でもそれなりに評価され、行動力がある方だと思っていました。でも、大学院を修了して、完全に自由になってみて、これが大いなる勘違いだったということがわかりました。

よく考えてみれば、会社員時代は何をするべきかは会社が決めました。大学では先生が決めました。私は、それを達成する方法を考えて、実行するのが得意だっただけだったのです。 
何をするのか、なぜするのか、いつするのか、誰とするのか、どこでするのか。 全てが自分次第になったとき、夢にみていた完全な自由を手に入れたのに、身動きが取れなくなっていました。 

住んでいたのは、西オーストラリア州の州都パースから南へ20キロメートルほどの港街、フリーマントルでした。観光地でもあり、駅前から続くメインストリートは”カプチーノストリート”と呼ばれ、たくさんのカフェが立ち並んでいます。

平日の昼間、通り沿いのカフェで、大勢の成人男性が楽しそうに談笑しています。スーツは着ていません。かといって、観光客にも見えません。常々、一体何をしている人達なんだろう? と思っていました。

夫とつきあいはじめてわかったのですが、この人達は、みんな自営業者だったのです。フリーランスのフォトグラファーだった夫も、仕事と仕事の合間に、カフェに”出勤”して、友達とおしゃべりするのが日常でした。

夫の友達の多くは自営業者でした。何をするのか、自分の時間をどう使うのかを自分で決めるのがあたりまえの人達です。そういう人達に囲まれていると、だんだんとそれが自然に思えてきました。環境の力は大きいのです。

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