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体に染み込む大阪ライフ

新今宮駅のホームから改札へ下りる。う…臭うねんな。
しょんべん臭いガード下。前歯はないけど糸切り歯だけは何故か残ってる歯のない西成のおっちゃんのスマイルは、世界一やぞ? あんなに素晴らしい被写体は他にないで。  

ここは大阪府ちゃう、大阪国やで。日本の裏側や。

私は、大阪に慣れたくない。絶対にこんなアカン場所を当たり前の日常にしたくない。目が慣れなくない。
新世界のド派手で下品な、タコやビリケンさんを指差して、これが大阪やでぇーー!と観光客にドヤ顔したくない。

小汚くて、ゴミとゴキブリと酒と、空き缶と、ナイロン袋と、吐瀉物と謎の土嚢とサドルのない自転車と、
糸のきれたピンクローターと、公衆電話がやたらある街、ここは西成。

4年前初めて来た時に、えげつない光景と臭いに目と口と鼻を塞いで通過したのが、西成。新世界エリア。

何食わぬ顔でカメラを持ち込みシャッターを切る、それが今の私や。こんな下品な街に慣れたくなかった。慣れたくないのに、マップを見なくともスイスイ歩けてまうし、観光客に道を聞かれるし、立ち飲み屋を一目見るだけでどんな客層でどんな店なのか、だいたい検討がついてまう。

こんなに大阪ナイズされてしまった自分が嫌だ。
私は、知らないところに行くのが好きで、未知のわくわく感にいつも浸りたいし幸せを見出すタイプ。だから、大阪には慣れたくない。知りたいけど、知りたくない。

だけど、エスカレーターに乗ると自然と右に行き、
たこ焼きにはネギポン酢、毎週のようにたこ焼きを食べて、大阪弁にまみれてイントネーション崩壊中の福島県民。どない?現在進行中のあたしやで。むっちゃえーやんか。

変わっていくってドキドキ。

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