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無敗の三冠馬コントレイル、国際レーティング126で2021年度の日本最強馬で確定。なぜコントレイルへの『最高評価』を予想できたのかを解説。そもそもレーティングってなんぞ?【2021年ロンジンワールドベストレースホースランキング】

今日はレーティングのお話。

ロンジンワールドベストレースホースランキングが発表されて、日本のコントレイルが5位となりました。世界で5本の指に入る強さ、ということですね。個人的にも『去年秋のベストレースはJC、有馬記念はレースレベルが低い、秋天は斤量差とトラックバイアスがあった典型的なレース』って言っていましたので、当たってて良かったですw 正直、コントレイルはもう1年間走ってほしかったっていうのが率直な感想ですけどね。あぁもちろん、別にレースレベルが低いからって出走している馬が弱いことにはなりませんよ? そこは間違いなく。エフフォーリアが弱いわけないので。

んが、ちょっと待てよ?と思った方も多いはず。レーティングって何じゃ?と。特に、初心者の人にとっては何のこっちゃさっぱりわからないと思います。ウマ娘とかでは、こういったレートって概念はほぼ出てこないですからね。

レーティングというのは、簡単に言うとサラブレッドの能力を数値化したものです。簡潔にレートとか言ったりします。例えば、ハンデ競走の時とかに適当にハンデを付けてたら不公平になるじゃないですか? ハンデ付ける人の好き嫌いでハンデ付けてたら、公平もクソもありませんからね。きちんと客観的な指標をみて、『あぁ、この馬とこの馬を比較するとこっちの方が能力が高いな…』って考えた方がわかりやすいですよね。特に、海外ではGⅠ競走でもハンデを付けることが多いので、主観が入らないようにこうやって競走馬の能力を数値化する必要性が高いんですよね。そういう観点から、国際的な能力の指標としてレーティングというものが設定されています。なので、国際的な評価として文字通り2021年度の日本最強馬はコントレイルで確定しましたよ、って発表されたということです。メチャクチャわかりやすいですよね。

あれ、でも例えばレイパパレやエフフォーリアとかってコントレイルに勝ったよね?って話になりますよね。ここで重要になるのが、斤量差と着差です。これ、オイラはもう何回も何回も何回も何回も言っていることですけど、レース分析では主観を除いて斤量差や着差などを比較していわゆる当該競走のレースレベルというものを確認することが最も重要な作業になります。レーティングの設定でも、こういった作業をきちんと行っているわけです。

確かに、レイパパレやエフフォーリアってコントレイルに先着していますけど、不確定要素があったレース(雨とか)とか斤量差が大きかったレース(秋天)って、そのまま額面通りには評価できないのは素人でもわかるじゃないですか? だから、それに見合った能力値の修正を行っていくわけです。

ものすごく噛み砕くと、レーティング上ではだいたい斤量1キロあるごとに1馬身程度の差が付くと考えていて、着差で言うと0.2秒程度で考えます。この基準って時代ごとに結構曖昧なんで注意も必要なのですけど、まぁでもだいたい1キロ差=1馬身と考えておけば競馬玄人顔はできますw

とにかく、斤量差がある=その分の着差は修正するっていうのが結構重要なのですよね。例えば、秋天のエフフォーリアとコントレイルの斤量差って2キロと結構大きいので秒差的には0.4秒程度を修正しないといけないんです。だから、修正値で確認すると同斤量で走ればエフフォーリアはコントレイルに半馬身から1馬身程度は負けていたと考えるのが妥当、っていうのが国際的な評価になっています。

レイパパレの場合はもっとわかりやすくて、牝馬の場合は常に牡馬よりも負担重量が少ない状態になっていますので、この分は必ず修正しなくてはいけません。この牡馬と牝馬の負担重量の考え方はセックスアローワンスなどと言われていて、これが現在競馬でも利用されている斤量差になっているわけです。『牡馬と牝馬の能力差を埋めるための斤量の違いで生まれた考え方とは?』と質問されたらセックスアローワンスと答えておくことで、玄人顔できますよw なので、牝馬の場合は牡馬と比較して必ず能力が斤量分だけ下方修正されます。牡馬の方がいつもハンデ背負って走っているようなものですからね。そういうことも、もう100年以上もレーティングでは色々と考えてやっているわけです。ちなみにですが、セックスアローワンスに関しても、色々な考えや説があるのでその点は注意。

って考えたら、オイラを含めた色々な人が去年のJCを1番手に評価して、メンツによらず有馬記念を低レベルなレースと評価していた理由もわかる気がしませんか? 理由は簡単で、やっぱり斤量差や着差、同斤量なら誰がどう見たってディープボンドが勝っていたレースだからです。実際に、有馬記念のレートは124秋天の実績をそのまま引き継ぐ形になっていますので、少なくとも秋天よりもパフォーマンスは上がっていないと評価された形です。上がっていれば、より高いレートになりますので。

JCに関しても同様の考え方ですね。基準馬としてわかりやすく、ローテーションも調子も抜群だったダービー馬のシャフリヤールが、斤量差がありながらコントレイルに3馬身以上も突き放された事実を見ても、同条件で走れば2021年度で最強だったのはコントレイルって評価は極めて妥当な結論になります。結局、この客観的な評価がそのまま国際的な評価としても反映されたということです。当然エフフォーリアに関しては、今年になって古馬と同斤量でどこまで走られるのか、っていうところが注目されています。同斤量で高レートを保持していたコントレイルのような馬を倒せば、まず間違いなく非常に高い評価を貰えるはずです。

面白いのが、国際レーティングが高い出走馬が走っている競走では当該競走の格が高くなるという点です。だから、日本の国際的な評価を向上させたいのならば高いレーティングを貰ってその馬がきちんとそのレースに出走しなくちゃいけないんですよね。で、高い格式のレースであっても当該レースで高パフォーマンスを発揮できないと、そのレースを勝利した馬でも1番には評価されないっていうのが非常に面白い点です。去年の秋天はその典型ですね。

そう考えると、今年は有力各馬が引退しまくっていますので、高レートを保持している馬がかなり少なくて色々とヤバイんですよね。エフフォーリアはぶっちぎりで文句なしですが、次点は誰かっていうと実は既に7歳のグローリーヴェイズなんですよね。で、その次がディープボンドとオーソリティで、さらに次がシャフリヤールです。並べると…

1位エフフォーリア

2位グローリーヴェイズ

3位ディープボンド・オーソリティ

5位シャフリヤール

一堂に会することある?っていうw 高レートを持っている馬が軒並みバラッバラの路線なので、これ下手したら来年の日本の国内戦のレートめちゃくちゃ落ちるんじゃないかな、とかなり心配しています。どこでも良いので、とりあえず高レート持っている馬はどっかでブチ当たってほしいですね。

ちゅーことで、レーティングのお話でした。まぁ、レーティングとはいっても文字通り客観的な指標の1つに過ぎませんからね。これが全てではないので、国際的な能力の指標の1つとして『へぇ…こういうもんなのか』とわかっておけば良いと思いますよ。自分の好きな馬が最強!!って考えるのが競馬の良いところで面白いところですしね。当然、オイラの最強馬は今年もディープボンドです(/・ω・)/

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