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#053 『ガタカ』(1997/1998)

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( 053/365)
『ガタカ』(1997/1998)(103分)
原題: 『Gattaca』

冒頭で「そう遠くはない未来」という前提と旧約聖書の引用からはじまる。
タイトルの"ガタカ"は物語の舞台である宇宙局の名前ではあるが、DNAの基本塩基の頭文字でもある。

主人公は遺伝子操作ができる時代に自然妊娠によって生まれたヴィンセント。生まれた直後には、彼が先天的に病を持つことが判明する。「不適正者」として生きていく運命を背負うことになる。

科学の力によって差別される時代。
『適性者』は遺伝子操作された人間のことを言う。
両親は2人目の子は遺伝子操作を選んだ。

彼は『不適正者』だが、宇宙を夢見る。
宇宙にいけるのは『適性者』のみのこの世界で。

1997年においての、そう遠くない未来は2020年の今、まだ訪れていない。だがこれは一つ可能性の未来なんだろう。
そしてその隙間を縫う物語だ。

ヴィンセントは、優秀な遺伝子をもつジェロームに"なりすます"
物語の核はこの"なりすまし"と"ある事件"ではあるがそこには触れない。

ヴィンセントとジェロームは協力関係者だ。
結末を考えると、ジェロームの決意というか、バトンを渡したというか、、胸にくるものがある。

SFだけどヴィンセントとジェロームの友情が素敵でした。
あと検査官も粋ですね!「息子が君の大ファンなんだが」「覚えておくといい、左利きは...」
カッコいいなぁ。

時代が経るというのは色々な楽しみが増えることではあるかもしれないが、無くなる感覚も多い。

携帯が普及したことで、待ち合わせのドキドキや、家に電話して親が出てしまって気まずい気持ちに陥るとか、とかそんなレベルもそうだ。

50年前ではSFじみたことでも今では当たり前なことなんて探せばいくらでもある。

生まれながらにして、というのはもう僕らには関係ないかもしれないけど、あと何世代か先には、遺伝子操作をして成功を約束されて生まれてくることも当たり前になるやもしれない。

ただそれはスタートであって全てがうまくいかないかもしれない。この映画はそれを教えてくれる。

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