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#081 『チョコレートドーナツ』(2014)

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(81/365)
『チョコレートドーナツ』(2014)(97分)
原題:『Any Day Now』

結末を見た後に、冷静にレビューが書けないけど。
頑張って書く。
マルコはハッピーエンドが好きな少年だった。

97分という短い映画は突き落とされるように終わりを迎える。無駄がない。

僕もマルコのようにハッピーエンドを期待しながら、この映画を鑑賞していたし、道中とても心が温かくなっていたのに、残念ながらこの物語は悲劇である。

原題「Any Day Now」は「(今にでもやってくるであろう)いつか」
このタイトルは結構考えさせられる。

『チョコレートドーナツ』という邦題タイトルにしたのも秀逸。
日本語版のキャッチコピーは「僕たちは忘れない。ぽっかりと空いた心の穴が愛で満たされた日々―。」

つまりはドーナツなのか。つらみ、、

監督トラヴィス・ファイン
主演
アラン・カミング
ギャレット・ディラハント
アイザック・レイヴァ

本作は映画のというよりも様々なテーマが出てくる。
同性愛について、知的障害や、麻薬中毒、ネグレクト、差別だけではない。
世間という大多数の普通、こちらを振りかざした時どのような暴力性があるかを理解すべきである。
(上司の嫌がらせに関しては反吐が出る)

物語は、ドラァグクイーンのルディ・ドナテロと、検察官のポール・フラガーが出会うところから始まる。
ショーを終えたところでポールがドナテロを訪ね、関係を確かめる。

ドナテロの隣人はドアを閉めずに一日中爆音を流し続ける女性で、そのことにほとほと辟易していた。

ある日、音を消しに部屋に入ってしまう。そこには女性はおらず、ダウン症のマルコが1人佇んでいた。
母親は帰ってきておらず、どうにもならない状態にポールに連絡を取り(繋がらなかったので)職場を訪ね、助けを求める。
その場は突き返してしまうポールだったが、ドナテロの行為が正しい行いだと気づく。

ドナテロとマルコが帰宅すると、管理人と見知らぬ女性からマルコの母は麻薬中毒で逮捕されたと聞かされる。見知らぬ女性は家庭局の人で、マルコは施設に送るために来たのだ。

ポールは、ドナテロを訪ね、謝罪と、彼の事を知ろうと、ドナテロに尋ねる。ドナテロは「Fキーのブルースを」と言いながら美声で歌いながら自己紹介をする。

ポールは感銘を受け、ドナテロに「デモテープを送って歌うべきだ」という。帰路、2人が車中から見つけたのは、施設から抜け出し、自宅を探しさまようマルコの姿だった。

ポールとドナテロは、マルコを引き取ることを考え始める。

ここまで書いて、オススメしてくれた先輩に連絡をとりながら心を落ち着かせた。
上述したドナテロが、歌いながら、自己紹介するシーンが吹替で見ていた僕をすぐにオリジナル音声に戻させた。ものすっっごく美声で!この映画は吹き替えで見てはいけないものだとわからせてくれた。
めちゃくちゃ歌がうまい。きれいなのだ。

ドナテロは真なる愛を持つ人だとのっけからわかる。
ポールは支える人だ。マルコはこの2人に出会えたことは幸せだと思う。

さて追記情報だが、本作、「1970年代のニューヨークのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話に着想を得て製作された映画らしい。。。

え、、、まじかよ、、着想であって、ノンフィクションではないよな、、、いやどうなんだよ、、。現実は映画よりもハッピーでいて欲しい。

1970年代はもう40〜50年近く前になる。
今では本作のような差別的なことも減ってきているのだろう。(と信じたい)

そして、もし可能であるならばこの作品が1人でも多くの人の目に触れて、考える機会を持って欲しいと切に思う。
人によっては人生観が変わる97分だと思います。

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