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【2】「私」の始まり。

「いつからこういう仕事をしているんですか?」
と聞かれることがある。
こういう仕事ってなんだろう?
例えばイベントとか、事業の企画のことかな?
ボランティアも仕事も同じようなことをしているから自分でもどっちのことでどう見られているかわからない。でも自分でもいつからこういうことしてるんだっけと振り返ってみた。今回は特に、依頼の多くの「子どもたちとの事業」の始まりについて。

※ちなみに「Misawa Art project」は市民団体で基本ボランティアという感じなので、私の中ではお仕事(お給料とかではない)ではない。
お仕事は個人的に依頼があって企画やプロデュース/プランニングして進めているもの。けど今回はまるっとひとくくりにして考えてみる。

きっと始まりは、2012年

 自分の仕事でもあった青森県三沢市で行われていた人材育成のセミナーに事務局側だったのにもかかわらず、受講生と一緒になって参加したこと。その名も「イベントコーディネーター養成講座」。
 その時初めて「こんなことができたら楽しいかも!」を、チームを組んで企画提案した。何かワクワクして、でもプレゼン資料を作りこむ時は、自分の想いを誰かに伝えるなんて…と恥ずかしさでいっぱいだったことを今でも覚えている。
 プレゼンの発表は約300人が入る大きな会場が用意され、6チームくらいが発表。今思えばプレゼンを発表するための準備は、イベントを組み立てていく時と同じだった。スクリーンに映すスライドだけじゃなく、ターゲット設定やどんな場面か、どうしたら想いが伝わるのか、どういう工夫をしたら内容がイメージしてもらいやすいのか、どんな仕掛けがあったらみんながこうきたか!とビックリするか。

 頭の中に浮かんだイメージをポンチ絵とともに必死にみんなに伝えた。いいね♪って言って、集まってくれた4人でチームを組んだ。「特別賞」だった。でもあの時の「来たな!」っていう感覚は今でも忘れない。自分の感覚を信じて突き進むことが大事だって初めて気づいた瞬間。

 今の「私」はあの時の経験がなかったら存在していないかもしれない。今でもイベントや、事業を組み立てるときはその時の講師が言っていたことを思い出すし、もし見ていてくれたらここを指摘されるかな?と修正したりもするくらい。今思えば、誰と出会ってその人から何を得ようとするかってすごく大事。

急に降ってきた話から・・・

 そのプレゼン発表から数ヶ月。いろいろなご縁があり、実際イベントを立ち上げることになる。「イベントをやってみないか?やりたいこと企画書にして出してみて。」と声をかけられ、何もわからない私は同じセミナーに参加していた人に電話した。彼は出張中だったがちゃんと話を聞いてくれた。それが私の前の代表となる人。
「急にこう言われたんだけど、企画書のつくり方も予算の出し方もわからない。なんとなくだけれどやってみたいことはある…けどこういう時ってどうすればいいですか?」と。
 そして話は進んで、企画も通り、それに伴って「Misawa Art Project」という市民団体を立ち上げた。

 その一発目がかなりの短期間の準備と過酷を強いられた。でもその時はそれでも楽しかった。やること全てが初めてのことで、全てが学びで、みんなと一緒だったから。ちなみに、企画に入ってくれたアーティストは例の養成講座の講師だった人。
 一緒に何かを作ったり、ミーティングをしたり、資料をつくたり、役割分担をしてチームごとに動いたり、ご飯を食べに行ったり、あーでもないこーでもないとピリピリしたり。言い出したからの責任とよくわからない不安とかなりのスピード感、街の偉い人たちからの重圧(勝手にそう思ってただけ)に心も折れそうになり泣いた日もあった。全てが敵にさえ見えた時もあった。それでもトータルで楽しかったと思えるのはなんだったのだろう。
 時間のなさと初めてのことばかりで不安だったけれど、自分たちのセミナーから生まれた団体ということもあり、当時の上司が部長に掛け合ってくれて仕事と並行して動くことができたのは本当に感謝だった。私たちの団体を暖かく見守ってくれていると確信した。だから私は期待に応えたかったのだと思う。程よい期待は人を成長させるんだね、きっと。

 この長い長い、基地内へ続く廃線を使ったクリスマスのキャンドルイベント。このイベントをスタートに、私たちは今日までの7年、色んな経験を重ね続けた。 

 そしてそんなこんなで、子ども+地域・まちづくり・ふるさとづくり的な活動が評価され活動から数年で「地域づくり総務大臣賞」を受賞。その時はよくわからなかったけど、今やっとその賞の意味がわかってきた気がする。継続は力なり。。。
 継続して取り組んでいる事業で、ある地域のお母さんが「この事業に参加させてよかった。改めて子どもから街の良さを知る機会になってます。コミュニケーションも増えたんです。よくしゃべるようになった。子どもが今何を考えていて、何に興味があるのかって今までわからなかったから。」って。ジーンとくるよね。

ずっと変わらないこと。 

 メンバーの入れ替わりや進め方、スピード感やかける時間、活動拠点を構えたり色んな変化はあったけれど、変わらないのは、地域の未来を担う子どもたちへの想い。何かを押し付けるのではなく、一緒に活動しながら、コミュニケーションをとりながら、大人とか子どもって線を引くでもなく。ただ、自分たちで未来を切り開く強さを持ってほしい、考え行動できる力を身につけてほしい、いつか何かに迷った時も自分で考え選択していけるように、チャレンジできるように、見える世界を広げてほしい…程よい期待を持ちつつ、親心にも似た気持ちで、子どもたちがたくさんの経験をし、好きなことを見つけ、自由に考え、それをチャレンジできる環境や仕掛けを持ち合わせたイベントを私たちは手掛けてきた。ずっと変わらないこと。

遊びの中から気づき学ぶ。企画する私としては、知らない世界へ飛び込む子どもを信じて見守る。きっとこれからも。

これからのこと

 私は「仕事」も、「Misawa Art Project」という地域づくり活動も特に分けて考えてはなくって、その時その時で依頼があったものや企画したいことに対して本気で、楽しめないくらいだったらやらない。やるからには1人になったとしても最後までやり切るつもりで始めるし、その責任があると思っている。でもそうならないように、共有できるビジョンを明確に伝えたいし、楽しい企画にするし、それに巻き込まれた人も「やばい!楽しい!最高!」ってなるように気持ちの温度感も大事にするし、空間づくりにもこだわりたい。
 これからは、過去に縛られることなくもっと自由にもっとクリエイティブに、自分の感覚を信じて本気で生きていきたいって思う(笑)限られた時間を大切に、丁寧かつ熱狂的に。なんとなく相反する2つがどう重なり合うのか。周りの温度が3度くらい高くなるような仕事をしていきたい!

#イベントプランナー #デザイナー #プロデューサー  

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