追い込むテクニック

追い込むテクニック

トレーニングで筋肉が成長するのは、ストレス応答によるものです。きちんと刺激を与えれば、筋肉は発達していきます。

与えるべき刺激は、現段階の能力よりも少しだけ強ければ十分です。限界をほんの僅か超えればいいのです。

逆に、限界点を大きく越えて何日も筋肉痛があるなら、それはオーバートレーニングです。短時間で少ないセット数の中でも十分刺激を与えられるテクニックを紹介します。

記事を読むメリット
・短時間で追い込む方法が分かる
・重量設定や回数の目安が分かる
・追い込むテクニックが身につく

ピンポイントに刺激を与える
トレーニングでは目的の筋肉にだけ刺激を与えるのが理想です。筋肉量を増やしたいのなら、ターゲットの筋肉にピンポイントに負荷を乗せられる練習をしたほうがいいです。追い込むためにセット数を増やすのはナンセンスです。

ティーチング
トレーニングの動作で、反動を使わずに丁寧に行っている際、最もきつくなるポイントをスティッキング・ポイントといいます。このスティッキング・ポイントで反動を使って重りを上げるのが、ティーチングです。

最初から反動を使うのではありません。重りを上げるときにティーチングを使い、下ろすときはゆっくり下ろす。こうすれば、高重量を扱えるので、ネガティブで十分な刺激が与えられます。高重量のネガティブは筋肉にかかる負荷が高いので、やりすぎは注意です。ネガティブでも自分でコントロールできなくなったら終了です。

フォーストレップ
自力で上げられなくなってから、補助者に手伝ってもらいながら上げることをフォーストレップといいます。スティッキング・ポイントのみ補助者に手伝ってもらうのが理想的です。フォーストレップは神経系に強い負荷がかかるので、やりすぎるとオーバーワークになります。毎回ではなく何回かに1回行い、普段とは違った刺激を入れたいときなどに用います。

レストポーズ法
短いインターバルをはさみ、高重量で行うトレーニングをレストポーズ法といいます。インターバルを短くし、回復しきってない状態で追い込みをかけます。インターバルが長くなると普通のセットになってしまうので、20~30秒を目安に取ります。1RMの90%程度の重量で行い、1セットで十分です。3回のインターバルをはさんで、6~8回上げられると理想的です。

忙しくて時間の無い時は、最初に6回ほど上げて、20秒のインターバルを挟みながら1回も上がらなくなるまで行う方法もあります。たった数分で十分な刺激を与えることが出来ます。

クラスタートレーニング
クラスタートレーニングは、レストポーズ法をさらに短いインターバルで行うものです。使用重量は1RMの85%前後で、トータル8~10レップを目安に行います。始めに余力を残しておいて、10秒間のインターバルを4回はさみ、最後の1回が何とかギリギリ上がるか上がらないかというところまで追い込んだら終了です。特にデッドリフトにはオススメです。

ワン&ハーフ
最初はフルレンジで行い、限界がきたらパーシャルレップを行う方法です。限界まできたらフルレンジの半分だけの可動域でトレーニングをします。バリエーションとして、フルレンジとパーシャルレップを交互に行うというものもあります。

21カール
アームカールで有効なバリエーションです。アーノルド・シュワルツネッガーやロニー・コールマンが好んで行っていたことで有名です。肘が伸びた状態から90度までのパーシャルレップを7回、肘が90度の状態から曲がりきるまでのパーシャルレップを7回、フルレンジのカールを7回。合計21回連続でカールするのが21カールです。必ず7回でいけない訳ではないので、そこは状況に応じて変えても大丈夫です。

100レップ
文字通り1セットで100レップ行う方法です。20~25回が何とか上げられる重量を選択します。これは各自でベストな重量を探してください。まずは20~25回行います。すると、強いパンプ感というか痛みに近い感覚が襲ってきます。5秒のインターバルを入れて5~10回程度行い、痛みがきたらまた5秒休みます。これを100レップ完了するまで続けます。この方法は補助筋が疲弊してしまうので、多関節運動では向いていません。マシンを用いて単関節運動で行うのが効果的です。

ドロップセット
ドロップセットとは、限界に近づいたらウエイトを軽くして、回数をこなす方法です。インターバルは出来るだけないほうが良いです。メインセットの50%の重量になったら終了です。高回数を行うセットなので、化学的な刺激がメインになります。

筋力向上を目的とした場合、3~5回を何とか上げられる重量からスタートです。上がらなくなったら重量を初めの80%に落として限界まで行います。上がらなくなったら、最初の60%まで落として限界まで行います。回数の目安は10回前後です。

筋持久力向上を目的とした場合、8~10回を何とか上げられる重量からスタートです。上がらなくなったら重量を初めの70%に落として限界まで行います。上がらなくなったら、最初の50%まで落として限界まで行います。

ドロップセットのバリエーション
ドロップセットでは、化学的な刺激がメインになりますが、この方法は科学的刺激と物理的刺激の両者を十分与えられます。5~7回を何とか上げられる重量(1RMの85~90%)からスタートです。インターバスなしで1RMの30%で20回行います。少しだけ息を整え、1RMの60%まで落として5~8回行います。最後に1RMの30%で20回行います。

この方法は、軽い重量で遅筋を刺激している間に、速筋を回復させ重量と回数を稼ぐ方法です。特に肩や腕のトレーニングにはオススメです。

まとめ
・筋肉の発達は限界点を僅かに超えれば問題ない
・何日も筋肉痛が続くなら、それはやりすぎ
・追い込むテクニックは
①ティーチング
②フォーストレップ
③レストポーズ法
④クラスタートレーニング
⑤ワン&ハーフ
⑥21カール
⑦100レップ
⑧ドロップセット

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