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本の貸出渋滞を改善せよ?! その②~子どもに人気のある本の貸出が20週待ち?~

さて、~子どもに人気のある本の貸出が20週待ち?~という陳情を受けてから、市民から寄付募れる仕組みがあればよいのでは?という仮説検証が進行中です。前回の状況をご存じない方はこちら。

1.寄付で待ち行列は減ったのか?

先日の声がけ⇒市民に寄付頂いて、待ち行列を減ったのか?をチェックするため(図書館の方に)図書登録のタイミングを図って電算登録をして頂きました。

6月14日寄贈⇒6月22日登録の待ち行列結果は「こちら」です。ふしぎ探偵駄菓子屋(1巻)は蔵書が+2となり、予約待機が29週から14週(3月半)に減りましたね(でもまだ長いw)。
※集計は、とある市民の方にお手伝いいただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。

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2.流山市中央図書館にヒアリングに

この長蛇の待ち行列を緩和したく、制約条件を知りたく、流山市中央図書館にヒアリングに行ってきました。

司書の方にお話を伺うと、受付業務と予約図書の配架業務に加え、南流山地域図書館や、おおたかの森窓口センターに窓口開設に向けた調整業務など、大分お忙しいことが分かりました(つまり、こちらから何か+αの業務を要望できる状況では無さそう💦)。

3.貸出数と蔵書数のバランスは妥当なのか?

千葉県内の市町村での比較「流山市立図書館年報(令和元年)」を見てみます。流山市のデータは網掛け部分です(※の赤のラインが全国平均)。

一人当たりの貸出冊数は、流山市は12位と高いものの、蔵書数(28位)や予算(22位)は低く、人口増に対し追い付いていない面はありそうです。ちなみに図書購入費は2700万円/年(今年度は南流山地域図書館開設に向けて+2,300万円が計上されています)ですが、この金額の妥当性を評価するには、判断材料は足りないですね(人口増に対して追い付いていない事業は他にも多くあるため)。

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4.寄贈(受け入れ)は多いのか?

昨年度の寄贈件数は 9710冊(589件)(そのうち2004冊については状態が悪く破棄)です。受け入れ冊数は流山市は27位であり、決して高い順位ではありません。

であれば、

5.(子ども達のために)寄付したい人がすればいいのでは?

という案が思い浮かびます。しかし、以下、図書館の受け入れの2つのルールは尊重する必要がありそうです。

ルール①:寄贈⇒受け入れ可否は司書に一任
でも、せっかく寄付して頂いたのに「受け入れしません!」というケースがあると、寄付者の善意を裏切ることになるので避けたいですよねー。司書に一任して欲しい1番の理由は、図書館のキャパシティに適切な蔵書数に抑えるためとのこと(2番目はルール②により選書したい)。であれば、現在の待ち行列を調べ、長蛇の待ち行列が発生している本に限定して寄付を募れば最初から過度な量が集まらないようにできそうです(プログラム組めば簡単に自動化できそう・・・)。

ルール②:図書館の選書ポリシーを尊重
児童書の良著の基準の1つに「長い間(20年間とか・・)読み伝えられている本」というのがあるようです。児童書の基本図書は、そういうものを中心として構成したいとのこと。
ちなみに、現在子ども達に人気の「おしり探偵」や「かいけつゾロリ」シリーズは人気が出てから10年程度で「ステッピング・ストーン:図書が好きになるきっかけになる本」として分類され、積極的には蔵書していないとのこと。(漫画本なども同様、、のようなことをおっしゃっていたような・・)

公共図書館の役割を考えた場合、子ども達が読みたい本を読めればいいというわけでは無いのかもしれません。しかし一方で、読みたい本が長蛇の待ち行列になっているのもバランス悪い?とも思います。

しかし、事業費を税金で増やすのは時間がかかるし、子どもの1年は、子供の成長にとって貴重な1年。よって以下で整理すると、しっくりきそうです。

図書館司書の選書、長く読み継がれている児童書⇒税金でバランスよく購入
子ども達に人気で待ち行列が長い本⇒+α、
有志市民からの寄付

ということで、長蛇の待ち行列がある本に限って、勝手にご寄付を募る仕組みを市民有志の方が提案して下さりましたこの方法ですと、市の負担は、ほとんどないはず!ですが、市からは「やったことが無いので検討させてほしい」と言われており、回答待ちです。
さてどうなることやら、楽しみです。

6.図書館司書の方の想い

最後に図書館の司書の方が、どんな願いをもって働いていらっしゃるか聞いてきたので共有します。こういう想いも大切にしたいですね。

手に取れるようなブックリストを作成して、幼少期から図書に触れられるように機会を増やしたい。成長と共に、図書館の利用に戻ってくるように、という想いがある。辛い時含めて、心の成長に寄り添う存在でありたいし、そうやって流山で育ってほしい。基本図書についても、学校に向けての団体貸出も業務は多岐にわたり大変だけど、そういう想いでやっている。切れ目なく、サポートできるようにしたい。同時にまんべんなくそろえて、多世代に広げていきたい。



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