お客様と、メーカーさんの想う『タオルがフワフワ』が違う(かもしれない)という話
三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
前回のnoteのタオル記事が好評だったので、引き続きタオルを取り上げます。
2023年6月24日と25日に、今治のタオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」さんの阿部社長を招いてイベントをさせていただきました。
実は、、以前より感じていた『タオルのフワフワ』について、noteでまとめようと思います。
※ここでは綿100%の通常のタオルを前提とした話をしていきます。予めご了承ください。(無撚糸など、特殊な技術のタオルも世の中には存在します。)
フワフワなタオルとは
どんなイメージ?
フワフワなタオルと聞くと、どんなイメージがあるでしょうか。
柔らかそうなタオルを手で抑えると、フワリと手が押し戻されるようなイメージでしょうか。
そのフワフワにするためには??
皆さんがイメージしたタオルのフワフワを実現するためには、どんなことをしたら良いと思うでしょうか??
もしも『柔軟剤を入れる』という選択肢があった方は、注意をして柔軟剤を使わないといけないかもしれません。
実は、タオルの洗濯には柔軟剤をいれないほうが良いと考えるタオルメーカーさんは多く存在します。
(吸水性が下がらず、柔軟剤が繊維に蓄積されず、トラブルが発生しにくいため。)
洗濯の都度、タオルの生地に柔軟剤が蓄積していくと・・結果的にタオルが固くなってしまうこともあります。
「柔軟剤をいれなくてもタオルはフワフワになるの??」という方に。
実はコインランドリーなどでも、ガス乾燥機に入れるだけでもタオルがフワフワになることがあります!
メーカーさんの考えるフワフワ
今回イベントでお世話になった今治のタオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」の阿部社長と『タオルのフワフワ』の話を店頭でしました。
メーカーさんの視点
タオルは主に水を吸い取る時に使う道具。メーカーとして
●吸水性が高いことが大切
●実は弾力性のようなものは重視していない
という前提でモノを考えています。
そのため、柔軟剤をいれたフワフワ(テレビの柔軟剤のCMのようなフワフワ、なめらかさ)を、タオルメーカーさんが求めていないことがあります。
メーカーさんの『フワフワ』
無理やり言語化すれば・・
●パイルがちゃんと立ち上がっている
●柔軟剤などの残留物がない(ベタッと感がない)
といった状態でしょうか。
「タオルが健康的な状態」とも言えます。
メーカーさん的『フワフワ』の例え
メーカーさんの『フワフワ』を説明すると、人によっては『ちょっとキシキシ』『ちょっとキュッキュ』しているという印象を持つ方もいるかもしれません。
個人的には『シャリッ』とした清潔感のある状態と言っても良いと思っています。
店頭では以下のような表現をすることがあります。
例え①
素材や織りにもよるのですが・・
綿と綿が擦れたときに、新雪を踏んだ時のような
「ちょっとググッ」
「ちょっとギュッ」
とした感触が、一番適切かもしれません。
(泉州のタオルメーカー「神藤タオル」さんの”YUKINE”というタオルも、そのような印象を受けるタオルです。三保原屋でも取り扱っています。)
ただし、三保原屋のある静岡市の市街地は殆ど雪が降らない地域・・。
街中で過ごすと新雪を踏む機会はありません・・。
例え②
髪の毛を例えにつかうのであれば・・
「健康的な髪のハリやコシ」
といった表現でしょうか。
(髪の毛について殆ど何も知らないので、イメージで話をしており・・大変恐縮です。)
お店で感じる課題
タオルの洗濯に限った話ですが、お客様の考える「フワフワなタオル」と、タオルメーカーさんの考える「フワフワなタオル」が異なる場合・・。
お客様が毎日する洗濯はどこに向かってしまうのか・・。
結果的には、すすぎ不足などによる「洗剤や柔軟剤の残留」がタオルを固くしてしまっているという実態が多くみられるそうです。
柔軟剤には柔軟剤のメリットがあり、洋服などには、良い影響を与えると思います。
また、そのようなフワフワが好きな方がいらっしゃることも事実です。
タオルの買い替え頻度を下げるためにも、できればメーカーさんの考える「タオルの健康的な状態」を知っておいていただけると幸いです。
まずは、
●たっぷりのお水で洗う
●洗剤は少な目で、柔軟剤はなし
●すすぎをしっかり
の洗濯を、デトックスのように稀にするだけでも、状態が良くなることがあるかもしれません。
ここから先は趣味の世界
なんで柔軟剤を使わないほうがいいのか
あらためて、メーカーさんの視点から、タオルの洗濯を念頭に記載をします。
最近の洗剤や柔軟剤のコマーシャルで良く耳にする
●驚きの白さ
●ほのかに香
●抗菌
などという言葉・・。
(もちろん、お洋服などに対しては、これ以外にもメリットがあることもあります。)
これらは本来綿にはない機能や効果です。
では、どのようにして、これらの機能や効果をタオルにつけるのでしょうか??
結論から言えば、タオルの表面にコーティングをすることで、これらの機能や効果をつけています。
毎回の洗濯でコーティングが重なると、結果的にタオルの表面には洗剤や柔軟剤の残留物が蓄積し、タオルが固くなってしまうケースが少なくありません。
まずは・・
まず、できることとして、
●たっぷりのお水で洗う
●洗剤は少な目で、柔軟剤はなし
●すすぎをしっかり
することで、お気に入りのタオルだけでも、ちょっと気をかけて洗っていただけるとタオルの風合いが長持ちすると思います。
毎日の洗濯物で気を付けるのは難しいので、お気に入りのタオルやタオルケットだけでも月に1度などの頻度で、趣味の洗濯(デトックスのように)を始めてみてはいかがでしょうか??