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クリスマスの思い出

待ち合わせに現れた友人は大きな赤い靴下を元気よく振りながら歩いてきた。中には白い動物のぬいぐるみ。熊なのか、犬なのか、はたまたバクなのか(口先がすごく長いのだ)よくわからない。

「これ見た時、もりやさんだと思って」と言って渡してくれたそれは、確かにゆるキャラ系の、私の好きなタイプだった。

そういえば数年前、一緒にクリスマスを過ごした時も、彼女の家にいったらクリスマスプレゼントをもらった。丸々とした羊のぬいぐるみは、ほよん、っととろけた顔をしていてすごく癒し系。ありがとうーーっと感動して眠りにつき、翌日「おはよう」と彼女に起こされた時にはすでに朝ごはんが用意されていて、ひどく感動したのを覚えている。当時の恋人と別れたばかりの私にとって、あのクリスマスは忘れられない思い出だ。

その後もお互い恋人のいないタイミングでは、一緒にクリスマスをすごした。お気に入りの服を着て、ちょっとおしゃれな街に出かけて、おいしいご飯を食べる。終電ギリギリまで話したあとに、電車の中でお互いすごいな、と思っているところを言い合った。ちょっとくすぐったくて照れてしまうような記憶だ。

何年か前はワクワク、ソワソワしていたイベントも、ここ1,2年でめっきり興味がなくなってしまった。12月に入ればそこかしこでクリスマスの雰囲気が漂っていたはずなのに、そして今でもそれは健在のはずなのに、なぜだか私に届かない。小さい頃は、24日の夜なんて緊張して眠れなかったのになぁ。今ではクリスマスより、年末実家でのんびり過ごせることを心待ちにしている。

けれど、イベントにかこつけていつも違うことをした思い出は、ほかの記憶と別のところにしっかりしまいこんであって、自分をつくる大事な要素になっている。年に数回の貴重な機会なんだから、来年はもっと興味もって気合いれたほうが楽しいんじゃないかなぁ。

1日仕事して、いつもと変わらず夜中にnoteを書きながら、そんなことをぼんやり考えた。


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