マガジンのカバー画像

編集とライティングと、働くこと

99
未経験から編集者を目指していた2017年以前の私に向けて、編集者の仕事、参考になるnote、編集者となった自分はどんなことを考えて日々働いているかをまとめています。
運営しているクリエイター

2020年2月の記事一覧

語りかける「画竜点睛」

はじめて原稿を納品する日、初めてWebメディアで記事を公開する日に、ドクドクと心臓が波打つような感覚になったのを思い出した。 変なところはないか、ケアレスミスは起きていないか、そして、本当にこれを完成形と見ていいのだろうか。何度も記事をチェックする。その儀式を終えたあとにようやく、「えい!」と半ば勢いでクリックをしていた。 「画竜点睛(がりょうてんせい)」 この言葉には、「物事の最重要部分」という意味のほかに、「何かを完成させるための最後の仕上げ」もある。それは、最後ま

書くって結構つらいこと

取材が楽しければ楽しいほど、書くのがつらくなる。 こんなに魅力的なんだから、確実に伝えたいと意気込むと、言葉を作る手が止まってしまう。良かった取材は私が書かないほうが良いんじゃないかとさえ思ってくる。 * 先日、スポーツ観戦をチアリーダーの観点から切り取る取材をした。チアが大好きの友人に、パフォーマンスの意味や背景、チアの見方をレクチャーしてもらいながら、試合そっちのけでチアをひたすら追いかける試合だった。 今まで視野が届いていなかった“チアリーダー“という存在にスポ

赤入れの学び

先日提出した原稿の戻しが届いた。googleドキュメントを開けると、提案モードで赤入れされた、ピンク色の文字が並ぶ。 「どうしてうまく書けないんだろう」と、自分にイライラしながら書いた原稿。熱い思いをたくさん聞けたインタビューなのに、私が書くとドラマの無い、半分もいかないうちに離脱してしまうような文章に見える。もやもやを抱えて提出したところ、構成の変更提案を受けて整えたら、だいぶスムーズな流れになった。編集者にしっかり見てもらえるのは、とてもありがたい。 修正の中で、「こ

タネも仕掛けもない直球note

どストレートな表現しかできない。 思ったことをそのまま、つらつらと書くとだんだん頭も整理されていくので、日々の思考を整えるためにnoteはすごく役立っている。ただ、そうやって書いている時が楽しい時もあれば、何を書いても自信をなくすだけになってしまう時もある。まさにそれが今だ。 先日、古賀さんのnoteを読んで、こんなひらめきをしたいなと思った。 "おもしろいことや突破口めいたものとはだいたい、余白から生まれるものだ。最近の居酒屋や小料理屋さんでポテトサラダが個性的な発展