エムスリーAIラボによる医療×AI領域の現状と課題

こんにちは、みほです。
今回は先月参加した以下のイベントの議事録です!
(本当につらつらメモした議事録です、、、)

特にエムスリーAIラボ所長の高木さんのお話がためになったので、そちらのみをピックアップしました。

個人的な感想としては、

✓  プロダクト創出の一番手を狙うエムスリーの大人技はすごい!
✓  薬事と法の壁は高いけれど、良いことは認められる世界
✓  売れる仕組みをつくるのは難しい
  (1領域の診断支援ではニーズを満たさない/当事者の多さ)
✓  技術者がここまでビジネスサイドを話せるのって普通にすごい   

まとめ

・現状
-市場規模は国内約500億円
-AIベンチャー・院内システムベンダー・医療機器ベンダー等
 様々プレーターが参入してきている
-病院側は見落とし防止・臨床現場の負担軽減・コスト削減ニーズあり

・課題
-データ収集と教師データ作成がネック
-データが少なく、データ容量は大きいという医療データ特湯の問題を
 解決するための技術的課題がある
-薬事申請のプロセスは複雑かつ高コスト
-法的問題のクリアは大変だが、正しいプロセスをきちんとやるのが近道
-既存のワークフローに載せつつ、売れる仕組みを作るのは大変

・打ち手
-ステークホルダー全員がwin-winになる販売の仕組みをつくる
-データ収集のボトルネックを解消する
-市場に参加するプレイヤーを増やす
 (他会社も色々やってるけど、プロダクトを出せていない)
-正しい情報を臨床現場に伝えて市場を構成する
 →ふわっとしているのをきちんと策定していく
-部分的に使えるものを投入していく
 →海外AIののソフトウェアの輸入・薬事代行・販売代理
 →海外の安定加増を作っている会社と一緒にやってみる
 →それでもないものは、AIラボによる自社内画像診断AIプログラムを作成

~~~~以下詳細~~~~

■AIラボが提供する価値

[ニーズ]         [m3が提供する価値]

医療ビッグデータの収集 → m3.comの会員基盤から医療情報を収集
臨床試験、承認申請   → グループCRO・SMOにより臨床試験実施
              治験くんを活用した迅速な被験者募集、薬事戦略コンサル
マーケティング     → MR君ファミリー等の各種マーケティング支援サービス
ファイナンス      → ベンチャー投資のノウハウを活用した資金提供

■AIを用いた診断支援ソフトウェアの市場規模

→およそ500億円
そのうちCT検査が全体の40%を占める
(多い順に、造影CT、胸部単純CT、頭頸部MRI、腹部単純CT)

■グローバルの状況
・機器メーカーは自前またはAIベンチャーと協業を通じてAI医療機器を開発
・PACS、部門システム、AI開発ベンチャーが単体のAI医療機器に参入
・PACS、AI開発ベンチャーは各々の強みを利用して、プラットフォーマーを目指す
→とはいえ、明確なプロダクトをつくっているところはまだない。

■AIを用いた診断ソフトウェア導入に対する医師の期待

1.臨床現場の負担軽減
2.見落としの軽減
3.コストの削減→特にがん検診の現場

■AI開発に必要なデータ収集における課題

1.IRB承認済みのデータ取得プロセスの実行
2.疾病ごとに大量のデータ取得が必要
3.コストをかけた教師データ作成が大切
4.取得したデータのモダリティメーカー・施設に偏りがない

■日本国内における医療情報関連法規制の状況

・前向き、後ろ向きともに同意取得を行えば問題は起きない
・後ろ向きの場合、匿名加工業者に依頼して匿名化できれば活用ができるが、匿名加工事業者の認定は本年度中に完了するかしないか、という状況のため不確実
・医療機器の研究開発のための医療情報収集/加工は臨床研究の枠組みは扶養だが、公表を前提とした精度検証は臨床研究法準拠の臨床研究を行う必要がある

■AI技術・コンピューター技術・画像処理技術における技術的課題
1.病変のあるデータの絶対数が少なく病変のないデータの数と偏りがある
2.コンピューター・GPUのメモリが医用画像を扱うには少ない
3.一般物体に比べて、収集できるデータの絶対数が少ない

■臨床研究・薬事申請における実用的な課題

1.臨床研究・薬事申請は新規参入者には参入障壁が高い
2.申請から認可まで長時間を要するので十分な資金が必要
3.AI医療機器は申請・認可実績がなくPMDAによっても未経験領域
4.オンラインで継続的に学習していく医療機器は現在のところ承認を得られない

■完結した技術を臨床への導入・マネタイズするための課題
1.保健収載がないと病院のコストなので導入の障壁に
2.1疾患のAIエンジンでは臨床現場のニーズが捉えきれない
3.臨床現場のワークフローに載せるためには、既存の病院システムベンダーとの連携が必須
  →各社似ているのは策定しているけど、微妙に違う


以上です。自分のためのメモを公開しただけなので
読みづらかったらすみません。

ここから議論が進むような内容にできたらいいんですけど。精進します。

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