危険な野苺
関東は梅雨入り間近。昨晩も雨が降った。今朝は肌寒さを感じる。
最近、朝目覚めた時の想定を
「ほんとは昨日死んじゃったけど、神様に懇願して生き返らせてもらった。(死んだときの記憶は覚えていない)」
でやってみている。
そうすると、目が見えること、目覚められたこと、まだ生きていることに結構びっくりするし、喜びが溢れてくる。
「おはよう!世界!」
気分が良かったから散歩にでかける。「どのコースにしようかな」足に聞いてみた。
歩いて20分位の里山に行くことにした。坂道を上り、畑を抜けて、森に続く道を進む。Tシャツが汗ばんでくる。
しんとした木々の中で深呼吸。ひんやりした土が足の裏から染み込んでくる。朝露に濡れたつやつやの葉っぱに触れる。雨雲のにおい。きみはどこにいたの、どこからきたの。
頭の中でかき混ざっていたにごりがどんどん沈殿していく。白い澱は底に溜まり、本来のクリアな視界が開けてくる。
ちょっと開けた場所では歌いながら踊ってみる。底に溜まっていた澱が、声から指先から裸足から放出され舞っていく。エネルギーがどんどん循環していく。身体、空、大地、響き、静けさが降り注ぐ。そう、この感じ、この感じでいいの。
地元のおじさんが現れたので、やめた。恥ずかしかった。でも何度でも。
茂みに真っ赤な野苺発見。今年初だ!森のルビー。
一粒食べたら、幸せと野生のエネルギーが体中に満ちる。
茂みの奥にはもっと大きいのがいくつも実っている。採りに行きたいけれど、きっとヒルがいるはず。
おいら、今日も毎度のワラーチだし。。
諦めるか、茂みに入るか10秒位迷ったけど、もちろん入ることにした。だって野苺は今だけだし、今年初だし!
意を決して、足の踏み場をイメージして、
いっぽ、にほ、さんぽ!
ゲットォォォぉぉぉぉぉぉぉ-!!!!!
素早く元の道にもどる。でも足元を見たら左足に3匹のヒルがくっついてる。(叫)
ひょええええ、とさすがに声をあげる。
ヒルには毒がないし、むしろ体の毒素を吸い取ってくれるのだけど、やっぱりヴィジュアルが無理。。しかも3匹て。、。(泣)
塩を振りかければ縮んでぽろりと取れるのだけど、塩は持ってきてないし。
引っ張ても取れないし、むしろ傷口が深くなってしまうだけ。(焦)
よく見ると移動する時に尺取虫みたいに接着面が少なくなる瞬間があるので、その瞬間に指で弾いたら飛んで行った。3匹とも飛んで行った。
今ヤマビルがめちゃんこ増えてるそうなので、ほんとは踏みつぶさないといけないんだけど。動揺していて踏めなかった。
苦難の末(それほどでもない)にゲットした野苺を口に含む。
赤い味だ。
赤くてかわいくて美味しいなんて、最高だね。
少し歩いたら茂みの奥に入らなくても道にいっぱい実ってた。なんだよ~。でも果敢に挑んでゲットした初物の2粒は簡単に手に入るものとは別格の味なはず。
まだ小さいのは食べないでおいてあげよう。数日後にもっとおっきくなってから食べてあげよう。(上から)
「なんぴとたりともこの野苺を見つけませんように」と思ったけど
みんなも食べて、この赤い幸せが伝染すればいいなと思った。いいことをした気分になった(なんもしてない)
次回はちゃんとスニーカーを履いて来よう。
この文章を読み返してみたら、自分はもう少し大人の落ち着きや計画性や思慮深さを育む必要があるなーと思いました。(感想)
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