名古屋の人ならわかる「旅立ち」の曲
先月、約1ヶ月のパリ滞在中に、地元の友人とリヨンを訪れました。
帰り際、リヨンからパリへ戻るTGVを待つホームで、私は無意識にとあるメロディーを口ずさんでいました。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
その瞬間、隣にいた友人と顔を見合わせて「これ何の曲だっけ…?」と首をかしげます。
JRのメロディーでもなければ、新幹線のメロディーでもない。でもどこかの駅で聴いたことがあるメロディー。
手当たり次第検索して色んなメロディーを聴いても、全然出てきません。
そんな中、鉄道に詳しい友人と話してみると、ようやくその正体に辿り着いたんです。
名鉄電車の中部国際空港行!
地元の空港行電車が、リヨンのホームで蘇ってくるとは。
普段セントレアを利用する人、この気持ちを分かち合いませんか。
旅の始まりは名鉄電車、中部国際空港行
名鉄一宮駅5時18分発、快速急行、中部国際空港行き。
私がいつもフランスに行くときに使う、始発の電車です。
セントレアからパリは直行便がないので、セントレア→羽田→パリが定番ルート。
日本の思い出が詰まったスーツケース+楽器という大荷物を抱えて、パスポートよし。スマホよし。財布よし。と、電車の前で最後のチェックをします。
名鉄に乗る=空港へ行く。
普段JRユーザーの私にとって、この名鉄の車内チャイムは長い旅が始まる合図なんです。
でも、これだけじゃ旅の音楽は終わりません。
空港まで約1時間。
名古屋を通り越し、名前を覚えていない駅をいくつも通り越し、終点ひとつ前の常滑を過ぎて、空港へ続く橋が見えてくる頃に流れるのが「Big Sunset」です。
これはチャイムではなく、音楽。
前奏が始まると「あ、そろそろ起きなきゃ」と準備しながら「もうすぐ空の旅が始まる〜」というドキドキ感、そして「またしばらく日本とお別れか」という寂しさが一気に押し寄せてきます。
私は全く鉄道に詳しくないですが、ここまでの感情を引き出す曲が流れる電車って最高じゃないですか?
空の旅といえば
セントレアに着くと、まずは国内線で羽田へ。
前はANA羽田行きの出発時刻までわりと余裕があったので、待ち時間にハンバーガーを食べるのが私のルーティーンでした。
でも今は出発時間が早まり、ハンバーガーが食べれなくなってしまったのが少し残念…
飛行機がロシア上空を飛べなくなった影響で、羽田発の国際線の出発時間が早まり、それに合わせて乗り継ぎができるよう調整されたんだと思います。
そんなANAの機内に乗り込むと流れてくるのが、きっと多く人に耳馴染みのあるテーマソング「Another Sky」。
この曲を聴くと「いよいよ空の旅が始まる!」というドキドキ感が湧いてきます。
でもこのドキドキって、同じANAの空の旅でもその時々で全然違った気持ちになるんですよね。
とくに2021年、コロナ禍でしばらく日本に帰れず、ようやく(ホテル強制隔離つきで)帰国できるようになった年、機内でこの曲を聴いたときは、本当に心に沁みて泣きそうになったのを今でも覚えています。
ワクワクと寂しさ
パリで暮らしていた頃、これらの音楽は貴重な一時帰国の終わりを告げる、少し切ないものでした。
でも今は「そんなに長く離れるわけじゃない」という安心感からか、どこかほっとする気持ちになるんです。
同じ曲を聴いても、全然違った気持ちになるのが面白いですよね。
旅にワクワクする人と、寂しい気持ちになる人。
それぞれの想いにそっと寄り添って、旅の記憶の一部となる音楽。
私もそんな風に、誰かの旅に寄り添うような音楽を奏でたいな〜と思いながら、この記事を締めくくりたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!